2022 Fiscal Year Research-status Report
短時間で様々な体力要素を同時に向上させる新たなトレーニング方法の開発
Project/Area Number |
21K11484
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Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
尾崎 隼朗 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (00748428)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レジスタンストレーニング / 筋力 / 筋パワー / 筋持久力 / 筋肥大 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らの先行研究によって、80%~30%1RMまで休みなく負荷を漸減させる方法を用いたアームカールのトレーニングは、非鍛錬者の筋サイズ・最大筋力・筋持久力を同時に向上させることが報告されている。本研究では、負荷漸減法を用いた上肢多関節トレーニングが、鍛錬者の筋サイズに加えて、筋力・筋パワー・筋持久力を向上させるかを明らかにすることが目的であった。非鍛錬者(U)5名と鍛錬者(T)8名が本研究に参加した。レジスタンストレーニングを週1日以上の頻度で1年以上継続している者を鍛錬者とした。非鍛錬者には、現在、レジスタンストレーニングを実施している者はいなかった。両群の対象者はともに、80・50・30%1RMの順に負荷を漸減するベンチプレスのトレーニングを週2-3日の頻度で4週間実施した(計10回)。各負荷の間に休息時間は設けず、各負荷で挙上ができなくなるまで運動を実施した。筋サイズの評価のために、超音波Bモード法を用いて上腕部後面と胸部の筋厚を測定した。さらに、最大筋力・筋パワー・筋持久力の評価のために、各々、ベンチプレスの1RM、座位でのメディシンボールチェストパス(MBCP:3kg)、30%1RMでのベンチプレスの挙上回数を測定した。トレーニング期間の前後でこれらの項目を測定した。トレーニング開始前において、上腕部後面・胸部筋厚とベンチプレス1RMとその体重当たりの相対値は鍛錬者群で有意(p<0.05)に高い値を示した。4週間のトレーニングの結果、上腕部前面と胸部筋厚に加えて、ベンチプレスの1RMとその体重当たりの相対値、MBCP、30%1RMでのベンチプレス挙上回数は両群で有意(p<0.05)に向上したが、トレーニング効果の程度に群間差はなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述した研究実績の概要の通り、2年目の研究は予定通り遂行できており、おおむね仮説通りの結果を得られている。既に学会発表を終えており、現在、国際誌への投稿へ向けて論文を執筆中である。また、1年目の研究結果については、先日(2023年5月)、国際誌にアクセプトされた。
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Strategy for Future Research Activity |
1・2年目の研究結果をもとに、3年目の研究では、より簡易的な方法として、腕立て伏せやスクワットなどの自体重を用いた漸減トレーニングを開発し、その効果を明らかにする。非鍛錬者を漸減トレーニング群と通常の自体重トレーニング群の2群に分け、各々、週2-3日の頻度で8週間トレーニングを実施する。トレーニング前後で筋サイズ、筋力、筋持久力を評価し、トレーニング効果を比較する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの感染拡大により、旅費の使用額が少なかったことが、主な原因である。次年度は、より積極的に学会発表などを実施する予定である。
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