2023 Fiscal Year Annual Research Report
短時間で様々な体力要素を同時に向上させる新たなトレーニング方法の開発
Project/Area Number |
21K11484
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Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
尾崎 隼朗 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (00748428)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レジスタンストレーニング / 筋力 / 筋パワー / 筋持久力 / 筋肥大 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来のトレーニング法は、ある一定の強度での運動か、これを休息を挟んで繰り返すかの2つに大別される。本研究では、『第3の新たなトレーニングとなり得る効率的かつ効果的な方法とは?』という問いの解明を我々が近年開発している『漸減負荷法』を用いて試みた。1年目の研究では本法の時間効率をさらに向上させるプロトコルの開発を行い、2年目の研究では、この方法を用いて、非鍛錬者のみならず鍛錬者に対する効果を明らかにした。そして、この最終年度の研究では、より簡易的な方法の開発を目指して、漸減負荷法を用いた自体重プッシュアップトレーニングが、若年男女の筋パワー・筋力・筋持久力に与える影響を明らかにすることを目的とした。平均年齢21歳の若年男女6名(男性4名, 女性2名)は、漸減負荷法を用いたプッシュアップトレーニングを、2日/週の頻度で5週間実施した。その後の5週間をディトレーニング期間に設定した。筋サイズは超音波Bモード法を用いて上腕部後面の筋厚を評価した。最大筋力は徒手筋力計を用いた等尺性肘伸展筋力で、筋パワーは座位でのメディシンボールチェストパスの投擲距離で、さらに、筋持久力はプッシュアップの最大反復回数で評価した。筋サイズは5週間のトレーニング期間後に有意(p<0.05)に増大し、その後のディトレーニング期間後に有意(p<0.05)に低下した。最大筋力と筋持久力は5週間のトレーニング期間後に有意に増加し、この効果は5週間のディトレーニング期間で消失した。筋パワーは5週間のトレーニング後に増加傾向(p=0.054)にあった。結論として、漸減負荷法を用いた自体重プッシュアップトレーニングは筋サイズに加えて、最大筋力と筋持久力を向上させる可能性が示唆された。3年間の研究を通じて、概ね仮説通りの研究成果を得ることができた。
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