2021 Fiscal Year Research-status Report
Examination of selective stretching of the individual hamstring muscles
Project/Area Number |
21K11486
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
若原 卓 同志社大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20508288)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超音波エラストグラフィ / 股関節 / 膝関節 |
Outline of Annual Research Achievements |
ストレッチングを対象としたこれまでの研究の多くは、1) ストレッチングの強度を主観的に評価している、2) 対象筋群を一括りにし、筋ごとにターゲットを絞ったストレッチングを実施していない、という問題点がある。本研究は、スポーツ傷害の好発するハムストリングス(大腿二頭筋長頭・短頭、半腱様筋、半膜様筋)を対象として、ハムストリングス各筋の選択的ストレッチング方法について、ストレッチング強度の客観的な評価に基づいて検討することを目的とする。 当該年度は、ハムストリングスの跨る股関節および膝関節の関節角度を様々に変化させることで、ハムストリングス各筋を選択的にストレッチする方法について検討した。各姿勢において、大腿二頭筋長頭、半腱様筋、半膜様筋の剛性率(shear modulus)を超音波せん断波エラストグラフィを用いて測定し、各筋の剛性率をストレッチング強度の客観的指標として評価した。その結果、股関節および膝関節の伸展-屈曲角度の変化では、半膜様筋における剛性率の変化が大きい傾向が認められた。一方、股関節の内-外旋角度、内-外転角度の変化によって、大腿二頭筋長頭における剛性率も高めることができる兆候が観察された。ただし、上記の結果はまだ予備的な実験結果であり、筋活動など交絡因子の影響を抑制するための実験条件を整えて、精緻な実験により検証する必要がある。また、ターゲットとする筋の剛性率が高い姿勢を保持して静的ストレッチングを実施し、それによる急性変化(ストレッチング効果)について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ストレッチングの効果を精密に評価するためには、ストレッチングのターゲットとする筋を対象者が完全に弛緩した状態で筋剛性率を評価しなければならないが、このセットアップに時間がかかり、計画通りに実験を進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験のセットアップが整ったことから、精力的に実験を進めて研究全体のペースを高めていく予定である。
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Causes of Carryover |
実験が当初の計画通りに進まなかったため、実験実施に関わる諸費用(被験者謝礼など)を執行できず、次年度使用額が生じることとなった。次年度は、この遅れを取り戻すべく研究のペースをアップする予定である。
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