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2023 Fiscal Year Research-status Report

特性が異なる身体活動の選択的認知機能改善効果とその作用を修飾する食品成分の解明

Research Project

Project/Area Number 21K11503
Research InstitutionPrefectural University of Kumamoto

Principal Investigator

松本 直幸  熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (00252726)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2026-03-31
Keywordsココア / カカオポリフェノール / 刺激検出 / 刺激識別
Outline of Annual Research Achievements

2023年度は、栄養成分(カカオポリフェノール,CP)の効果として知られている机上の静的状態で調べる認知機能課題の改善効果が、ダイナミックな運動を伴う認知機能課題においても有効かについて検証した。
研究対象者は男子大学生33名とし、CP条件(CP540mg含有ココア飲料)とプラセボ条件(ココア様の味と香りを付けた水)の2条件を設けた。2種の認知機能課題への影響をランダム化クロスオーバー試験で検証した。課題は、視野内のランダムな位置に次々に現れる視覚刺激を検出し、順次手で押す刺激検出課題(課題①)、および前面パネルに現れる視覚刺激の数字を識別し、標的刺激のみを手で押す視覚識別課題(課題②)を用いた。一つの課題を行わせた後(pre)、ココアまたはプラセボ飲料を摂取させた。30分後に再び同じ課題を行わせた(post)。2種の認知機能課題ともに、pre・postで3セット行わせ、そのうち最も正解数の多いセットを採用した。課題①では正解数、および視覚刺激の点灯からボタンを押すまでの運動時間を、課題②では正解数を評価した。
課題①は、両条件ともにpostの正解数および運動時間はpreより有意に改善しなかった。また課題②も、両条件ともにpostの正解数はpreより有意に増加しなかった。しかし、課題①において、次の視覚刺激が中心視野に提示された場合と周辺視野に提示された場合に分けて解析を行ったところ(n = 5、統計解析なし)、正解率はCP条件で83.1 ± 0.5 vs. 71.4 ± 1.2 %(中心視野vs. 周辺視野)、対照条件で83.7 ± 2.5 vs. 70.4 ± 1.0 %となり、CP条件で正解率の低下が抑制される可能性が観察された。
引き続き検証を進めていく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2022年度の実験において、動的認知機能課題として用いた視機能トレーニング装置での刺激検出課題は、パネル(120cm×90cm)の前に立ち39個のボタンの内いずれかがランダムに点灯するので、それを手で押すというものであった。「パネルに対する目線の高さを踏み台を用いて揃える」「立つ位置のパネルからの距離は外側のボタンに手が届く位置」のように、可能な限り身長や腕の長さの影響を抑えるよう工夫したが、その精度が低かった可能性は否めない(例えば、踏み台は5cm単位の調節しかできない)。また頭部の動きが自由なため、網膜座標系でみた刺激提示に、対象者間で大きな差が生じていたと考えられる。これが、認知機能改善効果が小さかった一因であるとも考えられるため、2023年度においては、身長が同程度の対象者での検証、高さ5cm以下の踏み台の利用、といった改善を考え実施した。引き続き検証を続ける予定である。

コロナウイルス感染症拡大の影響も下火となり、研究対象者のリクルート等が順調に進むようになってきた。引き続き、滞りなく検証を進めていく。

Strategy for Future Research Activity

2023年度の研究プロトコールに則り、他の認知機能課題(記憶系の課題)も含めて検証を進める予定である。さらに、競技スポーツの現場では、疲労が蓄積するゲーム終盤に適切な状況判断が出来ることが勝負を分ける場合があるように、高強度運動下における認知機能低下をいかに抑制するかということが重要となる。今後、事前に摂取するCPが、高強度運動後の認知機能低下抑制に有効かについても検証を進める予定である。

Causes of Carryover

次年度使用額が42,601円生じたが、物品費(プリンタートナーなど)が想定より少なく済んだためであり、適切な執行の範囲であったと考えている。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] 風情ある環境でのフォト・ウォークラリーと温泉入浴の組み合わせが気分や睡眠に及ぼす影響2023

    • Author(s)
      入部 祐郁、永利 梨乃、松本 直幸
    • Journal Title

      日本健康開発雑誌

      Volume: 44 Pages: 45~54

    • DOI

      10.32279/jjhr.202344G06

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] Combined Effects of Acute Aerobic Exercise Before or After Stretching on Arterial Stiffness.2023

    • Author(s)
      OI N., TAKAYANAGI Y., IKEBE H., KUME D., MATSUMOTO N.,NISHIWAKI M.
    • Organizer
      ECSS
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 自由生活下における間食摂取が血糖指標に与える影響2023

    • Author(s)
      濱田 有香・畑本 陽一・畠中 真奈・南里 妃名子・中潟 崇・松本直幸・下田誠也・田中 茂穂・宮地 元彦・吉村 英一
    • Organizer
      時間栄養学会
  • [Presentation] カカオポリフェノール摂取が運動時の認知機能に及ぼす影響2023

    • Author(s)
      岡彪吾・松本直幸
    • Organizer
      日本スポーツ栄養学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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