2021 Fiscal Year Research-status Report
短距離走の授業において女子に特化した指導ポイント・学習方法の必要性を検証する
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21K11514
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Research Institution | Yonezawa women's junior college |
Principal Investigator |
比留間 浩介 山形県立米沢女子短期大学, その他部局等, 准教授 (60588440)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 腕振り動作 / 性差 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、短距離走動作における性差についてバイオメカニクスの観点および体力的な観点から明らかにし、性差が拡大する第二次性徴期以降の女子に特化した短距離走の指導ポイントや学習方法の必要性について検討する。令和3年度は、腕振り動作に着目し、腕振りの有無が疾走能力に及ぼす影響の性差について体力的な観点から調査を行なった。中学校の陸上競技部に所属する男女各10名を対象に、通常の50m走(通常走行)と腕振りを制約(両腕を固定)した50m走(両腕固定)を実施した。また、体組成計を用いて体重、体脂肪、筋量(両腕、脚、体幹)を測定するとともに、下肢のパワー発揮能力の特徴としてマットスイッチを用いて垂直跳びの跳躍高、リバウンドジャンプ指数を測定した。その結果、男女とも通常走行の方が両腕固定よりも疾走速度は有意に高かったが、通常走行に対する両腕固定の変化率は、男子よりも女子の方が有意に高かった。これらのことは、腕振り動作が疾走能力に及ぼす影響には男女差がみられる可能性が示唆された。また、男女とも体幹および全身の筋量との間に有意な負の相関関係が認められた。全身および体幹の筋量は男子よりも女子の方が有意に少なかったため、筋量の性差が通常走行に対する両腕固定の変化率に影響を及ぼしていると考えられた。以上のことから腕振り動作の役割は男女で異なる可能性が示唆されたため、次年度以降は、バイオメカニクスの観点から腕振りや体幹の動作について検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた測定、分析を概ね遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
対象者を増やすとともにバイオメカニクス的な分析を進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により大会での撮影が延期になり、その分の旅費を予定通り支出できなかったため。次年度以降は大会が開催される予定であるため、その際の旅費として使用する。
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Research Products
(1 results)