2023 Fiscal Year Research-status Report
コンバインドトレーニングは動脈硬化をより改善するか
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21K11534
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Research Institution | Taisei Gakuin University |
Principal Investigator |
池辺 晴美 太成学院大学, 人間学部, 教授 (60446028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 雅人 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (10635345)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 複合トレーニング / 動脈スティフネス / ストレッチ運動 / 有酸素運動 / 筋力トレーニング / 運動様式 |
Outline of Annual Research Achievements |
ストレッチ運動、有酸素運動ともに動脈硬化度を低下させる運動様式であるが、高強度なレジスタンス運動では改善しないか悪化する。しかし、高強度レジスタンス運動においても、有酸素運動を組み合わせることによって、動脈硬化度を増加させないことが報告されている。 2022年度では、ストレッチ運動と有酸素運動の複合運動条件のうち、有酸素運動後にストレッチ運動を行う方が、上腕の血管内皮機能の改善をもたらす可能性が示唆された。そこで、2023年度には、心血管疾患の予防に特に重要とされる大動脈や頸動脈などの中心動脈壁の硬化度への影響を詳細に検討することとした。 対象者は15名の若年健康男性とし、1)座位安静条件(REST条件)、2)有酸素運動-ストレッチ条件(AREO-ST条件)、3)ストレッチ-有酸素運動条件(ST-AERO条件)、4)有酸素運動条件(AERO条件)、5)ストレッチ条件(ST条件)の5条件とした。測定は、運動前と運動後(Post 1)と運動30分後(Post 2)の3つの時間点とし、中心動脈の硬化度の指標として頸動脈-大腿動脈間脈波伝播速度(cfPWV)について検討した。有酸素運動は20分間の自転車エルゴメータ運動とし、運動中の酸素摂取量(VO2)と心拍数を計測した。ストレッチ運動は下肢への4種類の伸展運動とした。結果は、単独の有酸素性運動とストレッチと有酸素性運動の複合運動条件で、cfPWVは運動前よりも運動直後に有意に減少した。しかし、複合運動の実施順序による動脈硬化度の軽減に差は認められなかった。つまり、ストレッチ運動には有酸素性運動で得られる動脈壁硬化度の減少を加算する効果はなく、有酸素性運動の前でも後でも順序によって硬化度の減少を変えることはなかったと考えらえた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ストレッチ運動と有酸素性運動の複合運動による検討は概ね完了したが、ストレッチ運動とレジスタンス運動の複合運動については、プロトコルの確定までに時間を要し、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
測定環境の整備し、研究計画を進めていく。ストレッチ運動の内容については、文献レビューで収集したプロトコルを参考にし、今年度中に実験を完了できる見込みで計画を進めている。
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Causes of Carryover |
実験計画に当初予定からの変更が生じたためである。早急に計画を進めるために必要な物品購入や被験者への謝金などに充てる予定である。
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Research Products
(2 results)