2021 Fiscal Year Research-status Report
幼児期の座位行動が身体的発育発達に及ぼす影響:加速度計及び呼気ガス測定器での検証
Project/Area Number |
21K11540
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Research Institution | Junshin Junior College |
Principal Investigator |
谷川 裕子 純真短期大学, こども学科, 准教授 (00639362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 雅規 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (70341526)
道下 竜馬 福岡大学, スポーツ科学部, 准教授 (10632028)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 幼児 / 発育発達 / 座位行動 / 加速度計 / 呼気ガス測定器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,子どもの健全な身体の発育発達に貢献するために,幼児期(就学前の子ども)の座位行動を抑制させ,子どもの身体活動量の増加を促すための手立てを確立することである.近年子ども(就学児も含む)の生活は,情報化社会による電子媒体使用の増加,都市化による遊び場の減少,さらに昨今の新型ウイルスの感染拡大により,身体活動量を減少させており,座位行動を増加させていると考える.成人対象においては、座り過ぎのライフスタイルが健康のrisk factorとなることが明らかにされている.成人同様幼児の場合においても,座位行動が発育発達に与える影響を明らかにすることが急務である.しかし未だ座位行動の把握がされておらず測定と効果の検証すらできない状況であるため,座位行動の測定方法と抑制するための指標を確立させることが必要である.本研究の2021年度の研究計画は,座位行動の特性を測定する事である.加速度計の中でも精度の高い9軸センサを使用し,同時に消費エネルギーを測定する呼気ガス測定器を用いて,幼児期の座位行動を測定する. 9軸センサは加速度センサ,ジャイロセンサ,地磁気センサで計測することが可能であり,座位行動の行動特性に最適である.加えて呼気ガス分析装置によりエネルギー消費量の測定は,9軸センサでの測定評価をする推定値を算出し,9軸センサと消費エネルギーの相関により,9軸センサでの測定の妥当性と再現性を確認する.2021年度は,調査方法が呼気ガスの収集であったため,新型コロナウイルスの感染状況により調査日が予定より遅れが生じた.2021年度の調査では5名の幼児の測定を行った.5名により得られた9軸センサと呼気ガスのデータは現在解析中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度においては,幼児の座位行動つまり手遊び,絵本読み,ブロック遊び,お絵描きの行動を9軸センサを右手首,左手首,背中に装着し,呼気ガスを収集しエネルギー消費量を測定する事で,座位行動の行動特性を明らかにすることである.しかし調査方法が呼気ガス収集のため,新型コロナウイルスの感染拡大により,緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の発令中は調査を中止せざる状況であったため,当初計画していたスケジュール変更により対象者数が少なくなった.また呼気ガス収集のためのマスクが,国内製造を中止されており,海外製を使用した.その結果日本人小児の顔の形状に合わない幼児がおり,呼気ガスの収集に不備が生じている可能性があり,データ収集の妥当性を検討中であるため.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度において,2021年度調査ができなかった対象者に9軸センサと呼気ガスの調査を継続して行い,データ結果の信頼性を高める.また調査に使用する呼気ガスマスクを日本人幼児の顔にフィットするよう改良を行い,呼気ガス漏れを防ぐ.次年度収集したデータにより9軸sセンサの測定評価をする推定値を算出し,座位行動の特性を明らかにする.行動特性が明らかになれば,座位行動の評価が可能となるため,幼児の座位行動の実態把握を行い,座位行動が幼児の身体組成および運動パフォーマンスの発育発達に与える影響を検討する.
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Causes of Carryover |
2021年度は,新型コロナ感染拡大の影響により,調査ができなかった対象者への謝金を残金とする.次年度も状況に応じて調査を行うため,次年度への繰り越しとする.
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