2022 Fiscal Year Research-status Report
知的障害児・者における道具操作の困難の神経基盤の解明
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21K11544
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
平田 正吾 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10721772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 浩太 四天王寺大学, 教育学部, 講師 (20637673)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 道具操作 / 運動観察 / 知的障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルスの感染状況が未だ収束しなかったことや、その他の計測環境上の問題が解決しなかったことを踏まえ、本年度は行動指標による知的障害児や定型小児の観察学習の実態についての検討を行った。 1)定型小児において、言語的な指示にしたがった分類行動を必ずしも行うことができず、事前に観察した他者の分類を自らも行う傾向にあることが指摘(Moriguchi, et al., 2007)されていることを踏まえ、知的障害児においても同様の結果が認められるのか検討した。その結果、知的障害児においては、観察した分類行動の影響を受ける1群が認められることが明らかとなった。これらの者達は、事前に分類行動を観察しなかった場合には、指示にしたがった分類行動が可能であったことから、他者の行動からの影響を受けやすい1群であると言える。現在、こうした群の特徴について更に検討を行うと共に、論文化に向けた準備を進めている。 2)1~2歳の定型小児の積木構成課題において、成人によって示されるモデルが与える効果について縦断的な測定を開始した。現時点において、成人によるモデルが児本人の積木構成課題に及ぼす影響は明確でなく、成人が構成したモデルに自らも積木を重ねるclosing-in現象に類似した反応が優勢に現れることが確認された。現在、同様の現象が知的障害児においても認められるのか調査を行うと共に、論文化に向けた準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染状況に収束傾向が認められなかったことから、調査の実施を制限せざるを得ない状況が続いたため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染状況に留意しつつ、十分な感染対策を取った上で、調査を実施していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの流行状況が収束しなかったため、予定していた調査を行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度に予定していた調査を行うことにより、使いきれる見通しである。
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