2021 Fiscal Year Research-status Report
生徒の非認知スキル育成を目指す動機づけ雰囲気に基づく体育学習モデルの構築
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21K11548
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
中須賀 巧 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (10712218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 充典 久留米大学, その他部局等, 講師 (30760037)
阪田 俊輔 横浜商科大学, 商学部, 講師 (40823737)
山本 浩二 関西福祉大学, 教育学部, 准教授 (60636158)
田中 輝海 駿河台大学, スポーツ科学部, 講師 (90804196)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 動機づけ雰囲気 / 非認知スキル / 体育 |
Outline of Annual Research Achievements |
学校教育現場における非認知スキルの育成は,健やかな心身を保ち,豊かな生活を実現するための根幹となる.特に,チャレンジ活動や共同学習活動など生徒の主体性を重視した活動が豊富な体育授業では,非認知スキルを育むことができる授業展開を解明することが強く求められる.しかし,体育授業には教授法や評価法,クラス志向の違いから熟達雰囲気や成績雰囲気のように様相の異なる動機づけ雰囲気(授業雰囲気)が存在する.そのため,どのような授業雰囲気が生徒の非認知スキルの育成に有効か厳密に検討することが急務である.本研究では,特に体育授業の専門性や独自性が高まり,非認知スキルの育成が求められる中学生を対象に,生徒の非認知スキルを育む体育授業における動機づけ雰囲気について実証的に検討することを目的とする. 令和3年度は,既に着手していた包括的非認知スキル測定評価尺度の完成を目指したが,尺度の十分な信頼性や妥当性が確保できず,項目内容に問題が残った.そのため今後は項目内容を見直し,再開発する必要があると考えられる. また同時並行で,予備的検討として,非認知スキルのあらゆる側面(例えば,社会的スキルやグリッドなど)と体育授業における動機づけ雰囲気との関係について,性差や学年差の特徴を解明するための基礎データの収集を行った.データ解析を行ったところ,体育授業における熟達雰囲気(努力に価値が置かれ,練習や技能習得のプロセスが重視される雰囲気)と協同雰囲気(仲間との協同体験に価値が置かれ,技能習得や他者比較(競争)よりも生徒間の相互作用が重視される雰囲気)が,グリッドや社会的スキルに正の関係を示すことが確認された. 次年度は,項目内容を見直し,縦断研究に着手する.また前年度に引き続き横断研究として体育授業における動機づけ雰囲気と非認知スキルの関係に単元種目間の特徴があるか否かについて解明することを目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた包括的非認知スキル測定評価尺度の完成を目指したが,尺度の十分な信頼性や妥当性が確保できず,項目内容に問題が残った.このままの尺度を使用した縦断研究に移行すると,今後の研究を推進していく上で大きな問題となるため,一旦,項目内容を見直し,尺度の再開発が必要になると考えられた.これらが原因となり縦断研究への着手が遅れるため,進捗状況は「やや遅れている」と判断された.
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は,既に項目内容を見直し,尺度の再開発に向けて着手している.また同時並行で実施していた予備的検討として,非認知スキルの側面である社会的スキルやグリッドなどと体育授業における動機づけ雰囲気との関係について,性差や学年差の特徴を解明するための基礎データを収集し,解析までは終了している.それらの解析結果を学会発表ならびに学術論文に投稿することを目指す.さらに前年度に引き続き,横断研究として体育授業における動機づけ雰囲気と非認知スキルの関係に単元種目間の特徴があるか否かについて検討を進める.
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Causes of Carryover |
(理由) 2021年度は新型ウィルスの影響を受け,多くの学会がオンラインになり,また研究グループでの対面研究会を開催することができなかった.また尺度の再開発が必要になり,縦断調査に遅れが生じたため,今年度のデータ入力作業が大幅に遅れた. (使用計画) 迅速に尺度開発を進め,データ入力及び整理を行う.そのため,データ入力作業にかかる人件費(謝金)として2022年度に併せて計上する.また2022年度は既に学会発表も決まっており,それと研究成果の発表報告を調査協力校で行う予定であるため旅費を予定通り計上する.また予備調査のデータを公表するため,論文投稿や英文校正に必要なその他の経費も予定通り計上する.
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Research Products
(6 results)