2021 Fiscal Year Research-status Report
幼児の体力・運動能力の現状と年次推移把握のための持続可能な資料提供システムの構築
Project/Area Number |
21K11563
|
Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
村瀬 智彦 愛知大学, 法学部, 教授 (80263333)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 幼児 / 体力・運動能力 / 測定評価 / 保育現場支援 / 資料提供システム |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,2022~2024年度における保育現場を対象とした幼児の体力・運動能力の測定と評価支援(測定講習会開催,測定用具・器具の貸し出し,測定補助,評価資料作成,評価基準値の公表など)による持続可能な資料提供システム構築のための準備段階の年度であった.はじめに国内における関連する先行研究の資料を収集するとともに研究代表者の今までの研究成果を整理した.この作業により,持続可能な資料提供システムを機能させるための手順案を決定しマニュアル化した.次に近隣地区(愛知県と岐阜県)の保育所,幼稚園,こども園などの保育現場の責任者などに研究課題の概要と研究計画を説明し,研究協力の内諾が得られた保育施設には予備支援を開始した.12園に研究協力を依頼した結果,2022年度以降11園に3年間の研究協力が得られる見込みである.近隣地区における研究協力園については継続して追加を検討する予定である.また,遠隔地(沖縄県を予定)の研究協力園の選定についても沖縄県内の大学の研究者と連絡を取り合い検討を始めた.2021年度における11園を対象とした予備支援により年少児から年長児男女児合計約730名の7項目(握力,立ち幅跳び,ソフトボール投げ,25m走,反復横跳び,体支持持続時間,長座体前屈)の測定値を収集した.これらの測定値は,年次推移把握のためや持続可能な資料提供システムを機能させるための評価支援段階で必要な参照資料の作成に利用できる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
持続可能な資料提供システムを機能させるための手順案は,主に申請者の研究成果に基づき進めることができマニュアル化することは容易であった.また,コロナ禍において,保育施設の園責任者に直接研究課題の概要や研究計画について説明できないケースがあったものの,メールや文書などにより説明を試み,特に2021年度の後期にはコロナ禍の状況が少し収まっていたため,予備的な測定と評価支援が実施でき,おおむね順調に進展している.
|
Strategy for Future Research Activity |
2022~2024年度は,近隣地区において年少児から年長児に至るまでの3年間のサイクルについて,2021年度にマニュアル化された手順案に沿って各保育現場に幼児の体力・運動能力の測定と評価支援を行う.具体的には,その測定と評価支援の過程を詳細に記録するとともに,定期的に保育現場の責任者や保育者を対象に調査を実施し,課題や修正点が明らかになった場合には持続可能な資料提供システムの改善に反映させる. また,2023年度以降の遠隔地おける研究協力園の選定の準備を始めるとともに,持続可能な資料提供システムを機能させる上での近隣地区と遠隔地におおける留意点の違いなどを整理し2023年度以降の具体的な研究計画案を立案する. 得られた知見は実践研究として公表する予定である.
|
Causes of Carryover |
参加を予定していた国内学会は全てWEB開催であったため国内旅費を使用しなかった.また,研究協力依頼や研究計画の説明などの目的で保育現場に出張し園責任者に直接説明する予定であったが,コロナ禍の状況に配慮し出張を取り止めた.
|