2022 Fiscal Year Research-status Report
2者間のタイミング調節過程から見る幼児の「協調する力」の評価
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21K11565
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Research Institution | Kobe Shinwa Women's University |
Principal Investigator |
杉山 真人 神戸親和女子大学, 教育学部, 教授 (00442400)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 幼児 / 2者間のタイミング / 聴覚刺激 / 捕捉行為 / 視線計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は以下の研究を行った.本研究課題は2者間の協調する力について検討することが目的であるため,まずターゲットの性質が幼児の捕捉行為に与える影響について検討することが求められる.そこで,ヒトのような移動のテンポの異なるターゲットと人工的に生成されたターゲットのそれぞれに対する捕捉行為の特徴がどのように異なるのかを明らかにする,そして視線計測を行うための予備的実験が必要であるという理由から実験1を行なった.基本的な実験方法は前年度と同様であった.ただし,本実験でのターゲットは成人であった.また実験参加者は保育園に通う4歳児及び5歳児であった.現在,得られたデータについて,成人の実験参加者との比較,速度条件の比較等の分析を行う予定である.なお,本実験ではターゲットがヒトになった場合の速度条件の変化に対応した課題の遂行が求められるが,4歳児,5歳児においても十分に課題が遂行可能であることが確認できた. また,アイトラッカーについて,幼児が実験の際にストレスなく装着し,実験に臨むことができるかを確認することと,この装着に慣れさせるために定期的に保育園を訪問し実験参加予定の幼児にアイトラッカーの装着の練習を行なった.その結果,順調に実験に臨むことができ,妥当性のあるデータを収集できることを確認することができた. 次に,実験2として以下の実験課題を行なった.基本的な内容は実験1と同様であったが,課題遂行中の視線計測を行うために実験参加者にアイトラッカーを装着した.速度条件の異なるターゲットの捕捉の際にどのような視線の移動パターンが生じているのかを頭部の変位,移動の軌道,反応の正確性等のデータとともに分析するためであった.現在,これらのデータについて,成人の実験参加者との比較,速度条件の比較等の分析を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大の影響により予定していた実験に遅れが生じていたが,前年度の推進方策で示した計画に基づいて実験を実施した.実験の時期を2期に分け,①研究1年目に実施できなかった実験を実施し,その後②研究2年目(2022年度)に予定している実験を実施する,という内容であった.これらのデータを収集することができた一方で得られたデータを詳細に分析するまでには至っていない.これらのことから研究の進捗状況としては遅れが生じていると判断した.ただし,機器の整備やシミュレーション等の準備や保育園との連携も図れており,2023年度の研究も順調に進めることができれば,本研究課題を十分に遂行できるものと思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」で記した実験データを分析する.また,実験参加者のペアを幼児同士にし,2者間の協応パターンの特徴を明らかにする.それらを踏まえ,研究3年目に予定していた研究を可能な限り速やかに遂行する.特に,これまでの実験で得られた視線パターン,頭部の変位,移動の軌跡等のデータをもとに2者間の一致タイミングや協応パターンの特徴を類型化し,どのようなパターンを有する場合が最も2者間タイミングを発揮しやすいのかを明らかにすることによって「協調する力」の評価を試みる予定である.
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Causes of Carryover |
研究遂行にあたっては当該年度の直接経費に加え,他の研究費を充てることができた.このことから,次年度使用額が生じた.2023年度は研究成果の報告や残りの実験に費用が生じることから,これらに当該研究費を充当する計画である.
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Research Products
(1 results)