2021 Fiscal Year Research-status Report
2型糖尿病における分岐鎖アミノ酸異化経路のインスリン感受性低下における役割の解明
Project/Area Number |
21K11574
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
藤本 新平 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00333576)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分岐鎖アミノ酸 / 2型糖尿病 / インスリン感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病患者において血中分岐鎖アミノ酸 (BCAA)がインスリン感受性と負に相関することが明らかとなったがその機序の詳細は不明である。齧歯類肥満モデルを用いた検討によりBCAAの異化経路とインスリン感受性の連関が報告されており、非肥満2型糖尿病モデルであるGKラットを用いて検討した。BCAAは分岐鎖α-ケト酸となった後、分岐鎖 α-ケト酸デヒドロゲナーゼ(BCKDH)により代謝され最終的にミトコンドリアでのATP産生に用いられる。BCKDHはリン酸化で活性が調節されており、BCKDHKによりリン酸化されると活性低下、PPM1Kにより脱リン酸化されると活性が上昇する。 11週齢雄のWister ratをコントロール(CNT)群として5匹、糖尿病モデルとしてGK rat 5匹(DM群)を用い12時間絶食としWestern blotで肝臓におけるBCKDH E1α (活性サブユニット)、リン酸化BCKDH E1α、BCKDHK、PPM1Kを評価した。 体重はCNT群 265.6g±6.2g(以下平均値±標準偏差)、DM群289.8±9.0gとDM群で有意に増加(p=0.0065)、血糖値CNT群 91.6±10.5mg/dL、DM群217.6±49.0mg/dLとDM群で有意に高血糖であった(p=0.0069)。DM群では、CNT群と比較し、リン酸化BCKDH E1α、BCKDHKが有意に増加しており、BCAAの異化が低下していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非肥満の2型糖尿病モデルで、BCAA異化が低下しており血中BCAA上昇の機序となりうることを明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
GKラットの骨格筋、脂肪組織でも検討する。またBCAAを摂取させた場合のインスリン感受性の変化、BCAA異化経路の変化についても検討する。
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Causes of Carryover |
消耗品に関して、研究室にストックされていた物品を一部使用できたので、経費を大幅に削減できた。次年度より、支出は増加することが予測される。
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