2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the pathophysiology of low birth weight-non-obese diabetes and development of new nutritional therapy using whey protein
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21K11582
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
長野 伸彦 日本大学, 医学部, 准教授 (90794701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 一朗 日本大学, 医学部, 教授 (80437467)
岡田 知雄 神奈川工科大学, 健康医療科学部, 特任教授 (50177052) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乳清たんぱく / 抗酸化作用 / 抗炎症作用 / メタボローム解析 / グルタチオン / 1-メチルニコチンアミド / インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)乳清たんぱく質の効果の検討(令和4~5年) 【背景】近年、乳清(ホエイ)たんぱくの体脂肪減少効果が注目されているが、その作用機序については明らかでない。【目的】カゼインたんぱくとホエイたんぱくの体組成への影響の違いを明らかにすること。【方法】動物倫理委員会承認のもと、ICR系妊娠マウスにプラグチェック陽性の翌日から、ホエイ食、カゼイン食を与えた。出生後新生仔マウスに生後12週までホエイ食[ホエイ(W)群、n=6]、カゼイン食[カゼイン(C)群、n=6]を継続して与えた。体重を週1回測定し、12週齢で脂肪重量、空腹時血糖(FBG)、インスリン(IRI)、インスリン抵抗性指数(HOMA-R)、コレステロール(Cho)、トリグリセリド(TG)、および、肝臓の脂質代謝関連遺伝子発現量と脂肪のメタボローム解析を比較した。【結果】出生した新生仔マウスは出生体重に差を認めなかったが、生後12週齢ではW群はC群よりも体重が小さかった(48.3 vs 61.0 g)。W群とC群でFBG(177.5 vs 184.7 mg/dL)に差は認めなかったが、脂肪量(2.4 vs 4.1 g)、IRI(22.0 vs 47.0 μIU/mL)、HOMA-R(7.9 vs19.2)はW群で有意に低かった(p<0.05)。Cho(173.5 vs 153.5 mg/dL)に差を認めず、TG(48.8 vs 130.0 mg/dL)はW群で有意に低かった(p<0.05)。肝臓の脂質代謝関連遺伝子の発現量は、PPARαがW群で高い傾向を認め(p=0.08)、脂肪のメタボローム解析では、抗酸化作用を有するイノシトール3リン酸とグルタチオン、抗炎症作用を有する1-メチルニコチンアミドがW群で有意に高かった(p<0.05)。【結論】ホエイたんぱくはカゼインたんぱくよりも抗酸化作用と抗炎症作用を有する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究計画で予定していた乳清たんぱく質の効果の検討は、おおむね順調に進展した。乳清たんぱくがカゼインたんぱくと比較して抗酸化作用や抗炎症作用を有することを明らかとした。
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Strategy for Future Research Activity |
我々の以前の検討では、子宮内虚血操作を行った妊娠マウスから出生した新生仔マウスは、普通食でも成獣期に酸化ストレスの増加に伴う除脂肪重量の低下が原因で、高血糖を発症することが明らかになった。今後は、カゼインたんぱくに比して抗酸化作用を有することが明らかとなった乳清たんぱくが、本モデルマウスの高血糖発症予防に有効であるかを明らかにする。
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Research Products
(6 results)