2023 Fiscal Year Annual Research Report
毎日の食生活により徐々に蓄積される毒性終末糖化産物に対する除去機構の解明
Project/Area Number |
21K11583
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
坂井 亜紀子 金沢医科大学, 総合医学研究所, 准教授 (60570059)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / 終末糖化産物 (AGEs) |
Outline of Annual Research Achievements |
糖の摂取により体内に蓄積される終末糖化産物 (Advanced Glycation End-products : AGEs) は様々な生活習慣病の発症や進展を引き起こす原因物質の一つであることが明らかとなってきた。研究代表者はAGEsのなかでも、ヒト臨床検体において生活習慣病の発症や進展と最も強い相関関係を示す毒性AGEs (Toxic AGEs : TAGE) に着目し、これまでに強い細胞毒性作用を明らかにしてきた。TAGEは短時間で形成されることから食事のたびに徐々に蓄積され細胞機能を損なうと考えられるが、疾患への強い関与が示唆されるのにも関わらず、その除去機構については未だ解析されていない。そこで本研究では、日々の生活の中で蓄積されるTAGEを分解する機構を明らかにすることを目的とした。 令和5年度ではTAGE修飾された蛋白質の分解挙動を解析するための実験系の作成を試みた。TAGE化は様々な蛋白質で引き起こされるが、TAGE分解への影響を解析するためには、細胞内でのTAGEの挙動を簡便に観察することが必要である。そこで、蛍光標識を行ったBSAを細胞内に導入し、その後の分解挙動を、蛍光強度を指標とする実験系の考案を行った。 蛍光標識されたBSAは試験管内においてはTAGE前駆体処理により、AGEs構造に特徴的な高分子架橋を形成する。さらに、細胞内に導入した蛍光標識を行ったBSAは時間経過とともに分解されて蛍光強度が低下するが、TAGE前駆体を処理した細胞ではその分解が抑制されることが示唆される結果を得た。これらの解析から、細胞内におけるTAGE形成とその分解挙動を解析するための新たな実験系となることが示唆された。
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Research Products
(11 results)