2022 Fiscal Year Research-status Report
食品因子のよる交感神経の「感受性亢進」と「活性化」による体脂肪蓄積抑制作用の解明
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21K11584
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
西川 翔 帝京科学大学, 生命環境学部, 講師 (10728249)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 交感神経形成 / 褐色脂肪細胞化 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究成果から、食品成分によるマウス鼠径部白色脂肪組織での褐色脂肪細胞化誘導と交感神経形成の関与を見出した。本年度ではその作用機序解明を試みた。 マウスが通常飼育されている温度(21℃)は弱い寒冷刺激であり、それに伴い交感神経が刺激され褐色脂肪細胞化誘導も促される。そのためまず、飼育温度を室温からサーモニュートラル(TN)条件(27℃)に変更し、室温による弱い寒冷刺激を除き、飼育環境温度による交感神経刺激を排除した上で食品成分の投与を行った。 TN条件において、食品成分を28日間投与すると鼠径部白色脂肪組織において褐色脂肪細胞化マーカーであるUCP1発現の増加は見られなかった。この理由としてTN期間が長いことが考えられたため、TN期間と投与期間を2週間として再度実験を行った。ウェスタンブロッティングによるタンパク質発現解析の結果、褐色脂肪細胞化マーカーであるUCP1タンパク質発現量の増加が認められた。一方で、交感神経マーカーであるtyrosine hydroxylase (TH)のタンパク質発現には変化が認められなかった。 以上の結果は、食品成分が環境温度による寒冷刺激とは関係なく褐色脂肪細胞化を促していることを示している。今回、脂肪組織の一部を用いたタンパク質発現解析においてUCP1とTHの関連性が認められなかったが、この点に関しては組織透明化による脂肪組織全体での検討を現在進めている。この成果を基に次年度は作用機序の解明を引き続き実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験環境整備に時間を要したが、本年度は新型コロナウィルスまん延に伴う登校規制が緩和されたことも相まって研究環境が整い、やや遅れは見られるが概ね計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、データ取得を引き続き行うと共に、得られた成果を論文として投稿するなど研究成果を積極的に発信していく。
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Causes of Carryover |
実験系の効率化により使用試薬を削減できたため未使用額が生じた。 未使用額は本年度に試薬購入に用いる予定である。
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Research Products
(1 results)