2022 Fiscal Year Research-status Report
肥満に伴う新型コロナウイルス感染の重症化に対するACE2の有用性
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21K11596
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
後藤 孔郎 大分大学, 医学部, 講師 (10457624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正木 孝幸 大分大学, 医学部, 准教授 (00423715)
柴田 洋孝 大分大学, 医学部, 教授 (20245484)
加隈 哲也 大分大学, 医学部, 教授 (80343359)
岡本 光弘 大分大学, 医学部, 助教 (80774546)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肥満 / ACE2 |
Outline of Annual Research Achievements |
雄野性マウスに通常餌(脂肪成分20%)または高脂肪餌(脂肪成分60%)を摂取させ、通常餌群と高脂肪餌群に分ける。また各群をACE2慢性投与群(通常食および高脂肪食rhACE2を2週間腹腔内投与)、とコントロール群に分ける。したがって、通常食+コントロール群、通常食+ACE2慢性投与群、高脂肪食+コントロール群、高脂肪食+ACE2慢性投与群の4群を作成した。 1) 肺、小腸および心臓におけるACE2発現を評価する。末梢血のACE2濃度を評価する。また、ectodomain sheddaseとして働くADAM17の組織内発現を検討する。 2) ACE2自体には抗炎症性作用があるため、小腸内、肺および心臓おける炎症性サイトカインであるTNF-alpha発現を測定する。また、炎症性マクロファージの浸潤度について、CD11をマーカーとして免疫組織学的に検討した。 高脂肪食により肺、小腸、心臓でACE2の発現および血中のACE2濃度が増加した。ACE2の慢性投与によって上記の変化はみられなかった。また、高脂肪食によって肺内でのADAM17発現が増加した。この変化もACE2慢性投与により影響はみられなかった。また、高脂肪食によって肺およに小腸内のTNF-alpha発現およびCD11発現が増加したが、ACE2の慢性投与による影響はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験を行う上でのモデル動物の作製が順調にでき、また肺、小腸などの臓器内でのACE2発現やTNF-alpha発現およびCD11マーカー発現も測定することが出来た。また、組織内ACE2を切断させるADAM17の臓器内発現も評価でき、血中ACE2濃度の変化にも矛盾しない結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、上記4群に対して、SARS-CoV-2のリコンビナントSタンパク(Rp)を皮下投与後に臓器を採取する。 1) 小腸、肺および心臓におけるRpの分布について、使用するRpに特異的な抗体を用いて免疫組織学的に評価する。 2) 各臓器におけるRpの含有量を定量する。
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