2023 Fiscal Year Annual Research Report
シンバイオテイクスの粘膜免疫機構を活かした自己免疫疾患の予防・治療に関する研究
Project/Area Number |
21K11597
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
久保 薫 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (20254493)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友田 恒一 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90364059)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | シンバイオテイクス / 関節リウマチ / 粘膜免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
シンバイオテイクス【GFOB, G:グルタミン, F:食物繊維(ポリデキストロース), O:オリゴ糖(ラクチュロース), B:ビフィズス菌 の混合物】の関節リウマチへの改善効果を目的に、2%グルタミン、3.2%ポリデキストロース、3%ラクチュロース含むセルロース欠乏AIN-93G(実験動物飼育用精製飼料)に5% Bifidobacterium longum(BB536)を添加した特殊飼料GFOB(以下、GFOBという。)の8週間の摂取による実験動物(Lewis系雄性ラット)におけるアジュバント関節への発症初期の軽減効果の再現性を検討した。アジュバント関節炎の誘発後に軟便あるいは下痢を発症する個体が現れ、この場合には腫脹の軽減が認められなかった。そこでポリデキストロースを1.6%とし、またラクチュロースを0.48%に改変したGFOB(以下、改変GFOBという。)のアジュバント関節炎の腫脹への効果を検討したが、軟便あるいは下痢を発症する個体は認められないものの腫脹の軽減には至らず、腸内細菌叢の不均衡も改善されなかった。GFOB摂取による酢酸と酪酸の糞便中濃度の有意な増加に再現性は得られた。盲腸内容物中のIgA量にAIN-93G摂餌群、セルロース欠乏AIN-93G摂餌群、GFOB摂餌群と改変GFOB摂餌群の群間で有意な差は認められなかった。次にGFOBの8週間摂取はコラーゲン関節炎誘発後に軟便あるいは下痢を発症する個体は認められないものの発症初期の軽減効果は軽微であった。一方、GFOBの8週間摂餌後の血清中エンドトキシン濃度が低い傾向にあったが、腸粘膜タイトジャンクションの接着装置の分子の一つであるzonula occludens (ZO)-1の発現への影響は認められなかった。
|