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2022 Fiscal Year Research-status Report

β-アミノイソ酪酸ががん細胞増殖におよぼす影響とそのメカニズムについて

Research Project

Project/Area Number 21K11601
Research InstitutionKyoritsu Women's University

Principal Investigator

深津 佳世子 (佐々木)  共立女子大学, 家政学部, 教授 (70338903)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小林 翔  山形大学, 農学部, 准教授 (10779490)
鈴木 浩明  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40344890)
中西 陽子  日本大学, 医学部, 准教授 (90366592)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2026-03-31
Keywordsがん / 培養細胞 / 腸内細菌 / アミノ酸 / フェロトーシス
Outline of Annual Research Achievements

ヒト乳がん細胞 (MCF-7)、ヒト肺がん細胞 (A549, HLC-1)、ヒト神経芽腫細胞 (NB69)に60μMのβアミノイソ酪酸(BAIBA)を添加したところ、A549のみBAIBAによる細胞増殖抑制効果が少なかった。A549はxCTが過剰発現していることが報告されていることから、xCTを特異的に阻害するErastinを、生存率に影響を与えない低濃度(0.5μM)で添加したA549にBAIBAを7.5μM添加したところ、生存率は57.8% (p<0.01)と有意に低下した。このことから、BAIBAのがん細胞増殖抑制作用にフェロトーシスが関わる可能性が示された。
そこで、BAIBA 7.5μM添加のMCF-7, A549, HLC-1, NB69にフェロトーシス阻害剤であるLiproxstatin-1 (Lip-1)、Ferrostatin-1 (Fer-1)、アポトーシス阻害剤であるApoIを添加し48時間培養を行ったところ、Lip-1、Fer-1、ApoIはBAIBAによるがん細胞増殖抑制効果を有意に抑制することが明らかとなった。BAIBAが誘導するがん細胞増殖抑制作用にフェロトーシスとアポトーシスが関わる可能性が示された。
さらに、どのような因子を介してフェロトーシスやアポトーシスを引き起こすのかを明らかにするために、フェロトーシスに関わるGPx4とxCTおよびアポトーシスに関わるBCL-2の発現を調べた。その結果、BAIBAを添加した96時間後の遺伝子発現は、GPx4とxCTで減少し、BCL-2は変わらなかった。また、蛍光免疫染色ではBAIBAを添加したMCF-7では添加していないものに比べてGPx4が非常に染まりにくかった。BAIBAによってがん細胞におけるたんぱく質GPx4の発現が明らかに低下し、そのことを介して細胞死が引き起こされている可能性を見いだした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

都心の大学でのコロナ禍ではあったが、比較的順調に実験を進めることができた。2022年度は、BAIBAががん細胞に対してフェロトーシス、アポトーシスなどどのような細胞死を誘導するのかについて、阻害剤を用いた培養、遺伝子発現の検討、蛍光免疫染色など様々な手法で調べることができた。現在、国際誌への投稿段階となっている。

Strategy for Future Research Activity

今後はさらに、生体内と同じ低酸素環境での培養実験を行い、BAIBAが各種がん細胞に対して作用するメカニズムについて、生体内に近い条件下での発現の検討を行っていきたい。
また、国際誌への投稿論文でアクセプトを目指す。

Causes of Carryover

より生体内環境を反映した培養実験をスムーズに進めるため、現在、企業とのやりとりを通して、低酸素環境での細胞培養モニタリングシステムを共同開発しながら今年度か来年度での購入を考えている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 乳癌の内因性サブタイプと1型グルコーストランスポーター(GLUT1-4)の発現2022

    • Author(s)
      岩井桃子、中西陽子、廣谷ゆかり、谷野智将、野嵜史、大荷澄江、西巻はるな、唐小燕、深津佳世子、増田しのぶ
    • Organizer
      第111回日本病理学会総会(神戸)
  • [Presentation] Gnetin-Cによるがん細胞増殖抑制機構2022

    • Author(s)
      豊島沙紀子、中西陽子、深津(佐々木)佳世子
    • Organizer
      第45回日本分子生物学会(幕張)
  • [Presentation] グルコーストランスポーター発現による抗炎症効果が肺癌に及ぼす影響について2022

    • Author(s)
      岩井 桃子、中西 陽子、豊島 沙紀子、細井 美里、増田 しのぶ 、深津(佐々木) 佳世子
    • Organizer
      第45回日本分子生物学会(幕張)

URL: 

Published: 2023-12-25  

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