2023 Fiscal Year Annual Research Report
分裂終了細胞における新規な老化マーカーの探索とその機能の解析
Project/Area Number |
21K11605
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
竹中 康浩 日本医科大学, 医学部, 講師 (20586789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平崎 正孝 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10522154)
柿沼 由彦 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (40233944)
大畠 久幸 日本医科大学, 医学部, 講師 (80256924)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分裂停止細胞 / 心筋細胞 / トランスクリプトーム解析 / 核小体低分子RNA / snoRNA / ミトコンドリア / 老化 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度(2023年度)に実施した研究の成果 【目的】培養細胞を用いて分裂停止細胞の老化プロセスにおける新規老化マーカー分子の機能を解析する。【研究成果】これまでの研究で老齢マウス心筋細胞で非コードRNAの一種である核小体低分子RNA (snoRNA)の発現が低下していることを明らかにしている。最終年度は主にこのsnoRNAがどのような機能をもつのかについて重点的に研究を行った。まずsnoRNAを過剰発現やノックダウンするためのベクター系の構築を行った。過剰発現にはU6プロモーターによるshRNA発現用のレンチウイルスベクター、ノックダウンにはCRISPR-Cas9によるゲノム編集用のレンチウイルスベクターを購入し、これをマウスの培養細胞である3T3-L1, NIH3T3もしくはマウス胎児線維芽細胞MEFに導入して、SA-β-gal活性の測定などを行った。その結果一部の細胞でSA-β-gal活性の上昇が認められたものの、ノックダウンの効果が認められなかったり遺伝子導入細胞の性質が大きく変化したりして解析はかなり難航している。今後は遺伝子導入法の改善などを行って上記問題点を解決してさらなる細胞機能の解析を進めていく予定である。 研究期間全体(2021ー2023年度)を通じて実施した研究の成果 本研究では老齢マウス心筋細胞および非心筋細胞のトランスクリプトーム解析を行って、分裂終了細胞である心筋細胞に特異的な遺伝子発現変動を明らかにした。特に老齢心筋細胞では一部のミトコンドリア関連遺伝子の発現量が低下していることに加えて上述のsnoRNAの発現が低下していることが明らかになった。ミトコンドリア関連遺伝子やsnoRNAの発現量低下は心筋細胞に特徴的なものであり、分裂終了細胞の新規な老化マーカーとなりうることが示唆された。
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