2021 Fiscal Year Research-status Report
Mechanisms of cytotoxicity due to the generation and accumulation of toxic advanced glycation end-prodcuts (TAGE) in cardiomyocytes
Project/Area Number |
21K11607
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
高田 尊信 金沢医科大学, 総合医学研究所, 講師 (20515308)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 終末糖化産物 / 毒性終末糖化産物 / 心筋細胞 / 心臓線維芽細胞 / オートファジー / 膵島β細胞 / LC-3 / p62 |
Outline of Annual Research Achievements |
すでにWistar/STラットの新生仔から摘出・回収した心筋細胞に、「ブドウ糖と果糖の代謝中間体であるグリセルアルデヒド(GA)」を添加して、「拍動は完全に停止するが、NADPH活性は低下しない条件」の蛋白質を抽出し、2次元電気泳動法により蛋白質を分離し、抗毒性終末産物(TAGE)抗体を用いたウェスタンブロット解析を行っている。この画像をもとに、TAGE化蛋白質の推定分子量と推定等電点を求めた。現在、上記と同じ条件で蛋白質を抽出する作業を繰り返し、高濃度の蛋白質抽出液をサンプルとして、2次元電気泳動をする実験に取り組んでいる。 TAGEを生成・蓄積し心筋細胞においてLC3-II/LC3-Iの比率が低下するにも関わらず、LC3-IIと対になるp62の蛋白質レベルには変動がない。これが心筋細胞特異的な現象であるのかを調べるために、ヒト膵島β細胞株1.4E7にグリセルアルデヒドを添加する実験を行った。その結果、グリセルアルデヒド濃度依存的なTAGE生成・蓄積、細胞生存率低下が明らかになった。さらに一定濃度のGAを添加した条件では、LC3-II、LC3-I、p62のすべての減少が認められた。これにより、TAGEを生成・蓄積した心筋細胞におけるLC3-IIとp62の蛋白質レベルの挙動が、細胞特異的なものである可能性が示唆された(Nutrients 2022, 14:332)。 心臓線維芽細胞にGAを添加することにより、細胞内TAGEの生成・蓄積が細胞死を誘導すること、反面、生理的な血中TAGE濃度の30倍のTAGE化ウシ血清アルブミンは、細胞死を引き起こさなかった。このことから、心臓線維芽細胞の細胞死は、細胞外TAGEではなく、細胞内TAGEにより引き起こされることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心筋細胞を対象とする研究に関しては、2次元電気泳動と質量分析法を組み合わせた毒性終末糖化産物(TAGE)化蛋白質同定の作業について、予定通りには進まなかった。実験をするのに十分な蛋白質量を確保できなかったためである。 しかし、TAGEを生成・蓄積した初代培養心筋細胞における、オートファジー関連蛋白質LC3とp62の挙動が、ヒト株化膵島β細胞におけるそれらとは異なることが明らかとなった。このことにより、心筋細胞においてTAGE生成・蓄積とオートファジー阻害のメカニズムが、心筋細胞独特のものである可能性を見出すことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
高ブドウ糖培地および高果糖培地で心筋細胞を培養することにより、TAGEの生成・蓄積が有意に増加することを証明し、さらに拍動低下やオートファジー関連蛋白質LC3およびp62の挙動が、従来の「ブドウ糖や果糖の代謝中間体である、グリセルアルデヒドを添加する方法」により引き起こされる現象を再現できるかを解析する。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Comprehensive analysis of protein-expression changes specific to immunoglobulin G4-related disease2021
Author(s)
Takafumi Kawanami, Haruka Kawanami-Iwao, Takanobu Takata, Yasuhito Ishigaki, Naohisa Tomosugi, Tsutomu Takegami, HIroko Yanagisawa, Shino Fujimoto, Tomoyuki Sakai, Yoshimasa Fujita, Kazunori Yamada, Shuich Mizuta, Hiroshi Kawabata, Toshihiro Fukushima, Yuko Hirose, Yasufumi Masaki
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Journal Title
Clinica Chimica Acta
Volume: 523
Pages: 45-57
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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