2021 Fiscal Year Research-status Report
Development and evaluation of a worksite group intervention program based on Psychodrama for smoking cessation
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21K11614
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
河村 洋子 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (00568719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
欅田 尚樹 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (90178020)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 禁煙支援 / 職域保健 / ストレスマネジメント / グループファシリテーション / 行動変容 / 共学的環境づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は個人に対する禁煙支援ツールの開発と、評価によるエビデンス創出である。効果的な禁煙支援には心理的専門性が必要である一方、保健医療の知識を備えた人材が担える部分も多いと考えられる。本研究は特に喫煙率の高い年齢層が集中する職域に焦点を当て、保健医療専門職者に禁煙支援に関わる機会の増加とスキルの向上に寄与することを目指す。 本研究が開発を目指す禁煙支援の具体的な方法について、わが国では集団的心理療法は諸外国と比較して確立しているとは言えず、本研究で開発を予定しているストレス対処力の向上による禁煙アプローチを基盤とする禁煙支援介入の先行研究は見当たらない。このような点において、本研究は学術的独自性、独創性を備えると言える。 以上のような目的を果たすため、初年度にあたる2021年度では当初、禁煙支援プログラムの開発に関して先行研究を参照し、職域現場で禁煙支援を提供している医療保健専門職者と組織開発のテーマで企業内研修やコンサルテーションを行う実践家に協力を募りプログラムを完成させること、2)禁煙支援プログラムの評価に関して、禁煙支援活動に取り組む意向のあるプログラム実施者となる職域保健専門職者を10名(予定)リクルートし、研修を提供することまでを予定していた。 現状は、禁煙支援プログラムの開発に関して、先行研究のレビューに基づき介入プログラムの骨子を固めた。2022年2月にプロトタイプ版を試行的に研修会の中で実施した。一方、現場で禁煙支援や保健関連活動を実施している保健師や産業医の参加者と分担研究者及び協力者のフィードバックにより改善点を整理したが、企業内研修やコンサルテーションを行う実践家によるレビューを受けることができていない。禁煙支援プログラムの評価に関して、職域保健専門職者の介入現場としてリクルートにおいて一名の産業医の参加同意を得るにとどまっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度の進捗の遅れの中で職域保健専門職者の参加者のリクルートが重要であるが、この原因に新型コロナアウィルス感染症パンデミックの影響により、職域現場における禁煙支援の優先度は下がり、保健専門職者の活動の機会の縮小がある。先行きが見えない中で、介入研究への参加を募っても前向きな回答を得ることができない状況であった。 介入プログラムの完成については、試行的な内容を研修会で提供し、参加者からのフィードバックを得ることができたことは付加的に良い点であった。一方、禁煙支援に関する有識者のみでなく、企業研修や企業に対して組織開発や変革に関するコンサルテーションを提供する専門家からの助言を受けることができておらず、完成に至っていない。この理由については、介入実施に参加する現場の確保ができないという状況と相まって、計画性の欠如がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、先行研究レビューをもとに企業内研修やコンサルテーションを行う実践家に協力を募りプログラムを完成させることから始める。次に、第3四半期までには禁煙支援活動に取り組む意向のあるプログラム実施者となる職域保健専門職者を10名(予定)リクルートし、年度の後半下から研修の提供を開始する。 実施(研究参加)者は6ヶ月を予定している本介入期間中に各自の職場で介入群と対照群を設定し、(喫煙)参加者に対して開始時、中間時、終了後、そして終了6ヶ月及び1年後に自記式調査票によるデータ収集を行うこととなる。各自の職場でのプログラム参加者数は、職域保健専門職者の担当事業所の規模によるが、介入群・比較群それぞれ全参加事業所合計で50から100名程度を予定している。主要評価指標は喫煙行動(禁煙率)の状況、ストレスコーピングスキル、禁煙自己効力感である。これらの定量的データの収集の完了は2023年度となる予定である。また、プログラム参加者にはインタビュー調査を行い、参加者の調査票調査による定量的データとともに分析し、さらに混合型研究アプローチによって双方の結果を融合させ統合的な知見を得ることを目指す。
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Causes of Carryover |
初年度の研究活動における進捗の遅れがあったため、2022年度は初年度に予定していた活動の実施を着実に進める。このため、活動に伴う予算を繰り越す形となり、差額が生じている。 具体的な内容としては、2022年度は2021年度にできなかった介入プログラム完成に向けて禁煙支援に関する有識者のみでなく、企業研修や企業に対して組織開発や変革に関するコンサルタントに助言を得ることになり、関連する謝金対する謝金を計上する必要がある。また、職域保健専門職者の研究参加リクルート活動に伴う旅費を予算に含むことになる。
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Remarks |
ウェブサイト内でe-learningのコンテンツを提供しており、その一つに本研究で取り上げるストレスマネジメントの視点による集団的禁煙支援の内容を含む。
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