2022 Fiscal Year Research-status Report
高齢消化器癌手術症例における術後自立度低下に関するリスク評価と介入の有効性の検討
Project/Area Number |
21K11620
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 千恵 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (50589786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 光郎 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (00644668)
渡邊 一久 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00837320)
小寺 泰弘 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10345879)
室谷 健太 久留米大学, 付置研究所, 教授 (10626443)
栗本 景介 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40845137)
藤原 道隆 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院教授 (70378222)
中西 香企 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10836183)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 消化器癌手術 / 高齢者機能評価 / 自立度 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、術後に自立度が低下する群が存在する可能性が示唆されていた。このため本研究では、消化器癌における様々な術式の自立度への影響と複数の診療科を含む多職種横断的な介入の効果を包括的に把握し、高齢者に対する癌治療のエビデンス構築の一助となるデータを構築することを目的としている。 本年度は、術前、退院時、術後6ヶ月に施行している高齢者機能評価(自立度)の調査を進め、約100例の症例を集積し、解析を開始している。 さらに75歳以上の胃癌を有する高齢者に対して胃切除術を行った患者を対象として、老年科専門医による評価および術後早期の理学療法士によるリハビリテーションの導入症例の集積を進め、解析可能な症例数を得た。以上により、介入による有効性を評価するが、介入の有効性、あるいは抽出したリスク症例に対する介入の有効性に関しては、現時点で介入効果が不明であるため、研究分担者である統計家と密に相談しながら、評価を行う。 また、自立度が低下した症例群と維持された症例群の2群において、自立度のバイオマーカーの探索を開始した。自立度が維持された症例と低下した両群の症例の術前血清を用いて、網羅的なたんぱく質の同定および比較定量を行った。本年度はこの結果を得た。自立度が維持される候補タンパクとして7種、低下に関与する候補タンパクとして10種類を抽出した。次年度は術前検体を用いて血清中の候補タンパクの発現を定量化し、さらに手術による自立度の変化との関連を調査することを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胃切除術を行う高齢者を対象として高齢者機能評価を施行した症例およびリハビリテーション介入を施行した症例の集積をほぼ完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
症例の集積は終了したため、今後は術前・術後因子のリスク因子の抽出を行い、介入の影響も検討する。また、自立度に影響を及ぼす可能性がある候補タンパクの抽出は終了している。今後は、術前検体を用いて血清中の候補タンパクの発現を定量化し、手術による自立度の変化との関連を調査し、自立度に関わるバイオマーカーの探索を行う。いずれも最終年度に終了する見込みである。
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Causes of Carryover |
症例の集積や候補タンパクの抽出は終了しているが、自立度に関わるバイオマーカー探索が完了しなかったため未使用額が生じた。来年度も引き続き探索を続けるため、ELISAキットの購入に使用する。
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