2021 Fiscal Year Research-status Report
Identifying psychological, behavioral, and social factors related to well-being of the elderly
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21K11621
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 亨 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任教授(常勤) (80419473)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / well-being / 身体活動 / EMA / 睡眠 / 自覚症状 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者を対象に日常生活下での自覚症状記録(Ecological Momentary Assessmentによる肯定的気分や抑うつ気分などの記録)およびウェアラブル身体活動量計測(活動量、睡眠等)を行い、高齢者のwell-beingの低下・維持・向上に関わる心理、行動、社会的要因を同定することを目的とする。令和3年度は、高齢者51人(77.9±5.3歳;67~93歳)を対象に、質問紙によるベースライン調査(抑うつ症状や不安、運動習慣、well-beingに関する質問紙など)および、スマートフォンを用いたEMA(定的気分と否定的気分、抑うつ気分、不安気分、ストレス、疲労感などの自覚症状等を記録)、身体活動量計測(活動量、概日リズム、睡眠など)を実施した(10日間)。質問紙調査の結果、正常範囲内であっても抑うつ傾向の増大がwell-beingの低下と有意に相関すること、さらに要介護リスクの増大とも関連することを確認した。すなわち、抑うつ気分が高齢者のwell-beingの重要な要素である可能性が示唆された。また、日内の気分変動とその前後の身体活動量の共変性をマルチレベル解析により検討した。抑うつ気分スコアとEMA記録前60分間の平均活動量が有意に負に相関することを確認した。これは、高齢者のEMA記録変動の外的妥当性を担保するものであるとともに、身体活動から予測的に日内の抑うつ気分を推定できる可能性を示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画以上に調査が順調に進んでいる。また、well-beingと抑うつ症状、フレイルとの関係性や日内の気分と身体活動との関連性が明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
引続き、高齢者のwell-beingの低下・維持・向上に関わる心理、行動、社会的要因について解析を進める。また、追跡調査を実施するとともに、経年変化との関連性を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス蔓延が原因で中止となった調査で使用予定のデバイス等が利用可能となり、本年度調査では新規に追加購入する必要がなくなった。
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