2022 Fiscal Year Research-status Report
メタボリックシンドロームの発症・進展におけるアポE含有HDLの関与の可能性
Project/Area Number |
21K11622
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
臼井 真一 鳥取大学, 医学部, 教授 (50346417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠畑 綾子 岡山大学, 保健学域, 助教 (70335587) [Withdrawn]
下廣 寿 鳥取大学, 医学部, 講師 (90583758)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | HDL / メタボリックシンドローム / 脂肪肝 / アポリポプロテインE |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き,動物実験を中心に研究を実施した。8週齢で入手したラット(Sprague-Dawley)を高コレステロール飼料(1%コレステロール)で2週間飼育し,1週ごとに採血を実施して,短期間のアポE含有HDLの変動を評価した。高コレステロール飼料群では,1週目ですでにアポE含有HDLの減少傾向が見られ,2週目では有意に低下した。また,2週目のアポE含有HDL濃度は9週目の濃度(昨年度実施)と同程度であったことから,2週目以降ではアポE含有HDL濃度は変動しないと推測された。コントロール飼料群との比較では,高コレステロール飼料群で2週目に肝臓のコレステロール蓄積が認められたが,血圧,体重,血液生化学(血糖値,ALT,AST,など)に有意差は見られなかった。高コレステロール飼料によるアポE含有HDL低下の原因を探る目的で,採取した肝臓におけるリポ蛋白代謝関連遺伝子やレステロール代謝関連遺伝子の発現を調べたところ,HDL形成に関与するABCA1(ATP-binding cassette protein A1),胆汁酸合成に関与するCYP7A1(cytochrome P450 7A1)のmRNA発現が高コレステロール飼料群で増加していた。一方,コレステロールのエステル化に関与するACAT2(acyl-coenzyme A: cholesterol acyltransferase 2)のmRNA発現は低下していた。これらの結果から,血中のアポE含有HDL濃度の低下はメタボリックシンドロームの前段階とも考えられる肝臓の脂肪蓄積が関連している可能性がラットの実験で示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の動物実験は予想通りの実験結果が得られた。また,肝臓の脂肪蓄積がアポE含有HDLの変動に関与している可能性について新たな知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの解析でmRNA発現に変動が見られた遺伝子については,ウエスタンブロッティングによる蛋白質レベルでの解析を予定している。肝臓におけるコレステロール蓄積がどのようなメカニズムでアポE含有HDLの変動に影響するかを明らかにするために,培養肝細胞を用いた実験を予定している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で国外学会がオンラインで実施されたため,未使用の旅費が生じた。令和4年度の未使用額は次年度分と合わせて,追加で実施する動物実験や学会発表の旅費にあてる予定である。
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Research Products
(2 results)