2021 Fiscal Year Research-status Report
COVID-19と感染症災害に伴う社会的環境変化が生活習慣病に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
21K11629
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
福本 真也 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90381996)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | COVID-19 / コロナ禍 / 2型糖尿病 / NAFLD / MAFLD / CKD / 生活習慣病 / パンデミック |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックという半世紀内最大級の感染被害は、感染症による直接的な健康被害だけでなく、生活環境や経済活動等への社会的影響も甚大であり、近年稀に見る全国的大災害とも言える。東日本大震災(2011年)等の局地的大災害では、被災及びその後の避難生活が生活習慣病や心疾患の発症と悪化に強く影響を及ぼしたことが多数報告されており、今回のパンデミックでも、ウイルス感染による直接的健康被害に加え、全国的感染流行下での生活習慣の悪化や、身体的・精神的ストレス等によって健康状態が悪化することが危惧される。 本研究では、総合健診/人間ドック受診者による大規模コホートの臨床情報と保存生体試料を用いて、COVID-19の大流行が生活習慣病やその他健康状態に及ぼす直接的あるいは間接的影響とその原因について検討を行う。 2021年度は、被災群(パンデミック経験群)と対照群(パンデミック非経験群)のリピーターデータの回収を開始した。また、コロナウイルス感染の直接的影響を除外するため、コロナウイルスワクチン接種開始以前の症例の保存血清を用いて、新型コロナウイルス抗体測定を開始した。また、コロナ禍における精神状況の影響を検討するため、2021年度受診者に対しては、うつ・不安に対する簡易検査として頻用されるK6質問票を含むアンケート調査を行った。更に、上記コホート研究に対するデータ回収と並行して、2018-2020年受診者の一部関連データを用いた解析を行い、コロナ禍における特定の生活習慣の変化がmetabolic dysfunction-associated fatty liver disease (MAFLD)の発症リスクになることを見出し、論文作成を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ねタイムスケジュールに沿っており、コホート研究のデータ回収とサンプル測定を現在継続中である。その他、一部の関連データを用いた解析結果から、論文作成も開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度中にコホート研究のデータ回収とサンプル測定を完了し、データクリーニングおよび解析を開始する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、人件費の支払いを予定していた研究補助員が離職したことと、サンプル測定に必要な抗体測定キットの購入について、一部のキットが他研究費で購入することができたため。
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