2021 Fiscal Year Research-status Report
高齢者への食習慣介入による腸内環境改善および認知機能低下抑制効果の検討
Project/Area Number |
21K11630
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
山崎 あかね 山口県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (20364127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 マキ子 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (80227173)
國澤 純 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, センター長 (80376615)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腸内フローラ / 認知機能 / 食習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国において、高齢化の進行は大きな課題となっている。高齢化の進行に伴い、認知症患者数は増加している。このような超高齢社会の中で、健康寿命を延伸することは極めて重要な課題である。近年、腸内フローラの構成が加齢関連疾患を含む様々な疾病の発症や増悪に影響を及ぼすことが報告されている。更に、これまで食習慣と認知機能に関する研究は多数発表されている。しかし、「腸内フローラ」「食習慣」「認知機能」3つの観点からの研究は稀である。 そこで、本研究では、65歳以上の高齢者を対象として、腸内環境、食習慣、認知機能の現状を把握し、腸内環境や認知機能が良好な対象者に特有の食習慣を特定する。更に、見出した食習慣に関する介入調査を行い、腸内環境の改善や認知機能の低下抑制に効果があるのかを検証する。この研究により、認知症の発症および重症化の予防につながる新たな知見をもたらすことが期待される。 R3年度は、R2年度から実施中である対象地区の基礎データ収集を継続して行い、得られたデータの集計および解析をすることで、介入調査で使用する食品を特定する。更に、介入時の対象者への負担を減らすために、使用する食品のレシピ開発等を行うことを目的とした。 その結果、基礎データ収集については、65歳以上の男女51名および比較対象として、40-64歳の男女34名、計85名の調査を実施した。調査項目は、腸内フローラ調査、血液検査、認知機能検査、食習慣調査および生活習慣調査を行った。腸内フローラ調査および血液検査の一部の分析については、研究分担者の所属する、医薬基盤・健康・栄養研究所に依頼した。以上の項目から、認知機能および腸内環境が良好な状態の対象者における特徴的な食習慣や食品を特定するために解析を行っている。更に、介入調査での使用を想定したレシピの開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目的であった基礎データ収集及びその分析について、コロナ禍の影響により、調査参加者の募集や実施に計画当初よりも時間を要したため、一部のデータ分析において若干の遅れは出ているが、予定以上の基礎データを収集することはできた。
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Strategy for Future Research Activity |
R4~R5年度は、R3年度に得られた基礎データの解析を行い、その結果を基に介入調査を行う。介入はクロスオーバー試験を予定している。また、短期間での腸内環境の変化は困難であることを想定し、単年度ではなく複数年度での試みとする。 対象は介入調査に同意を得られた65歳以上の男女30名程度とする。初年度の調査結果より、特定された食品を使用した介入調査を行う。介入の際は対象者の体調等に十分に配慮し、定期的に状況を把握しながら慎重に行う。介入調査の効果を検討するために、初年度と同様の調査を対象地区の保健センター等で定期的に実施し、介入前後の比較を行う。 以上の調査結果を基に、高齢者の食習慣に介入することで、腸内環境の改善と認知機能低下予防に効果が認められるかを検証する。
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Causes of Carryover |
物品費において購入金額に端数が出たため、次年度使用額が生じてしまった。次年度の物品費として使用する予定である。
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