2021 Fiscal Year Research-status Report
眼底循環に及ぼす加齢の影響と運動習慣に伴う予防効果の検討
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21K11643
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
林 直亨 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (80273720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 泰司 日本大学, 医学部, 准教授 (00333691)
柴 友明 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (40408810)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 眼底血流 / 運動習慣 / 加齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
失明を含む視覚障害は加齢に伴い増加し,視覚障害を有する者は世界で2.5億人に達する(Bourneら 2017).視覚障害の多くは緑内障,加齢性黄斑変性と網膜症が原因となる.これらの疾患は眼底循環の異常に起因する(Cherecheanuら 2013).したがって,視覚障害の一次予防を目的として眼底循環を維持する方策を検討することは,重要な課題である. 運動習慣が循環系に及ぼす好ましい影響から察して,眼底循環の異常を運動習慣で予防可能と予想される.眼底血管の柔軟性に及ぼす運動習慣の効果を検討するために,以下の作業仮説を検証する.すなわち,加齢に伴って眼底の血管柔軟性が低下する一方,運動習慣を有する者では,その低下が抑制されるという作業仮説である.本年度は,加齢に伴う血管柔軟性の低下が,運動習慣によって抑制されるという仮説を,横断研究モデルによって検討した 人間ドックに来室した中高齢者(男性698名,女性192名,28~80歳)を対象として,横断研究を行った.眼底血流の計測には,レーザースペックル血流計を用いた.血管の柔軟性を評価するためBOTを算出した.これは,血流ピーク値の半値幅を保つ時間の相対値である.血管が柔軟であれば,拍動中の長い時間に渡って血流が維持されることから,BOTは血管柔軟性の指標として用いられている.対象者には運動習慣を記入させた. その結果,眼底血流のBOTは加齢とともに有意に減少した.自己申告および厚生労働省に基づく基準で分けた運動習慣の有無は,いずれも眼循環に有意な影響を及ぼさなかった。 これらの結果から,加齢に伴い眼底血管の硬化が進行することと,それを運動習慣で防ぐことができない可能が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2021年度には,横断研究として,人間ドックでは血液検査を含む各種検査データを収集する予定であった.2022年度に取得したデータを解析し,論文にまとめる予定としていたものの,データ収集が予想以上に順調に進んだので,論文にまとめる作業まで完了することができた.したがって,当初の計画以上に進展しているものと判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度には,縦断研究を行う予定である.健常被験者を対象に,2ヶ月間,週に3回30分間程度の持久的トレーニングを行わせ,トレーニング前後の眼底循環の柔軟性を評価する.その前後に,血管の柔軟性は,安静時の眼底循環データからBlow-Out Time(BOT)を算出し,評価する.ただし,21年度の横断研究データが運動習慣の効果を示していなかったことから,ネガティブデータの可能性もある.他の指標との関連性についても検討し,論文にまとめられるように配慮する予定である. 2023年度には,縦断研究の成果を公表する予定である.
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Causes of Carryover |
眼底血流の計測機器をレンタルして,実験室で対象者数を増やして計測する予定であった.人間ドックでのデータ取得が予想以上に早く進んだため,レンタルの必要がなくなったので,繰り越した. 次年度の縦断研究では,機器レンタルの必要あるいは,現在の機器専用の解析ソフト更新が必要になるので,そちらで使用する予定である.
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Research Products
(1 results)