2022 Fiscal Year Research-status Report
オリゴデンドロサイト前駆細胞による視床下部を介した代謝調節機構に関する研究
Project/Area Number |
21K11659
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
福島 篤 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10442716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 都 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (20450611)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オリゴデンドロサイト / オリゴデンドロサイト前駆細胞 / 血小板由来成長因子受容体α / 摂食調節 / 視床下部 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は中枢神経系内のグリア細胞の一つであるオリゴデンドロサイトの多様な機能、特に代謝調節機構を明らかにすることである。研究代表者はこれまでに、絶食により、視床下部において血小板由来成長因子 PDGFの受容体である PDGFRαを発現するオリゴデンドロサイト前駆体細胞 (NG2グリア) が増殖すること、脳室内に PDGF を連続投与することにより肥満が惹起されることを明らかにしており、代謝調節にNG2グリアや PDGF が関与していると考えている。 今年度は、昨年度同様コロナ禍の影響により遺伝子組み換え動物の導入が難しい状況が続いたため (現在は導入済み)、昨年度の結果をより発展させることに焦点を当て研究を行った。 高脂肪(45Kcal%脂肪含有量;HFF)や多価不飽和脂肪酸(オメガ-3;ω3)を含んだ飼料を給餌し、様々な給餌条件下で、マウス視床下部における軸索再生阻害因子 Nogo ・神経回路促進因子LOTUS系の観察を行うことした。 その結果、HFFおよびω3を長期間(32週間)単独給餌した群においてウエスタンブロット法によりオリゴデンドロサイトから分泌されるNogoは変化を示さなかったが、その受容体の内因性アンタゴニストLOTUSは、有意に増加することがわかった。しかし、HFFを16週間給餌し、その後ω3を16週間給餌した群 (HFF/ω3群)において、このLOTUSの増加作用は認められなかった。また、HFFおよびω3単独給餌群とHFF/ω3給餌群との体重差は認められなかったが、糖負荷試験 (GTT) による糖代謝は有意に改善した。この変化は、3週間給餌や12週間給餌では認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度同様、コロナ禍の影響により遺伝子組み換え動物の導入に時間がかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、遺伝子組み換え動物の導入を終え、産仔数を増やしており、最終年度には当初の計画通りの実験が行える。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、遺伝子組み換え動物の購入及び運搬に時間を要してしまい、当初の計画通りの実験が行えなかった。 その為、遺伝子組み換え動物(産仔)のジェノタイピング(遺伝型判定)が今年度には出来ず、ジェノタイピングに関する試薬の残額が次年度使用額として生じてしまった。 次年度は、遺伝子組み換え動物を用いて当初の計画に従って研究を遂行していく。
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