2021 Fiscal Year Research-status Report
生活習慣病発症における脂肪酸結合タンパク質の内分泌因子としての働き
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21K11663
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Research Institution | Tezukayama Gakuin University |
Principal Investigator |
楠堂 達也 帝塚山学院大学, 人間科学部, 准教授 (00460535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 貴子 帝塚山学院大学, 人間科学部, 助手 (60701464)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | FABP / 脂肪酸結合タンパク質 / 細胞外生理作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、FABP1とFABP3をターゲットとして、マウスへの組換えFABPタンパク質の投与実験や、抗FABP抗体投与による中和実験によって、FABPsの内分泌因子としての働きを解明し、生活習慣病の病態形成に果たす役割を明らかにする。具体的には、下記3項目を柱として研究を行う。(1) FABP1とFABP3タンパク質投与による、生理応答の検討、(2) 血中FABP1とFABP3低下による、生理応答の検討、(3) 培養細胞系を用いたFABPsの細胞外作用とメカニズムの解析。 初年度の令和3年度は、(1)、(3)に必要なFABP1、3の発現系の構築と精製を行った。我々はHisタグのついたFABP1、3の発現・精製系を既に確立していたが、本研究においては、Hisタグが生理作用や細胞取り込みに影響する可能性が否定できない。そこで、タグの無いFABP1、3の発現系、および精製系の構築を行った。大腸菌発現ベクターpET-21からHisタグ部分を取り除いたpET-21(ΔHis)を作製し、マウスFABP1、3遺伝子を繋いだ。作製したベクターを大腸菌BL21(DE3)株に導入し、発現を誘導した所、FAPB3は発現したが、FAPB1は発現が見られなかった。そこで、FABP1に関して、大腸菌発現ベクター(3種類)、宿主大腸菌(4種類)、培養温度(25℃、37℃)を組合せ、検討を行った。その結果、このうち1つの組合せにおいて、FABP1の発現が見られた。現在、これらタグの無いFABP1、3の精製を終え、(3)の培養細胞系を用いたFABP1、3の細胞外作用を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、(1) FABP1とFABP3タンパク質投与による、生理応答の検討、(2) 血中FABP1とFABP3低下による、生理応答の検討、(3) 培養細胞系を用いたFABPsの細胞外作用とメカニズムの解析の3つを柱として研究を進める計画である。初年度の令和3年度は、(1)~(3)全てに必要なFABP1、3の発現系の構築と精製を行った。FABP1の発現系構築に時間を要したため、抗体の作製、動物への投与実験など、少し遅れはしているが、(3)の培養細胞系を用いた実験まで進められており、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度も、当初計画に従い、(1) FABP1とFABP3タンパク質投与による、生理応答の検討、(2) 血中FABP1とFABP3低下による、生理応答の検討、(3) 培養細胞系を用いたFABPsの細胞外作用とメカニズムの解析の3つを柱として研究を進めていく。(1)については、マウスに組換えFABP1、3を投与し、糖・脂質代謝に与える影響を検討する。(2)については、実験で用いる中和抗体の作製を行う。(3)については、脂肪細胞のモデルである3T3-L1細胞、褐色脂肪細胞のモデルであるC3H10T1/2細胞、筋肉細胞のモデルであるC2C12細胞を用いて、FABP1、3の添加実験を行い、分化や糖・脂質代謝に与える影響を検討する。
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Causes of Carryover |
理由:FABP1、3の発現・精製の遅れにより、初年度予定していた抗体作製、動物実験に遅れが生じ、次年度使用額が生じた。 使用計画:抗体作製、動物実験に充てる。
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Research Products
(1 results)