2021 Fiscal Year Research-status Report
日本人の子供の体格の地域差は光周性反応で起こっているか
Project/Area Number |
21K11665
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Research Institution | University of Human Environments |
Principal Investigator |
横家 将納 人間環境大学, 人間環境学部, 教授 (30566419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 行人 九州共立大学, スポーツ学部, 教授 (00369787)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光周性 / 体格 / 地域差 / 日長時間 / エピジェネティクス / 子供 / 日本人 / 甲状腺ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人の子供の体格は北ほど大であり、南北グラジエントが存在する。この傾向は少なくとも過去50年間にわたり続いているが、その原因は不明である。過去50年間にも子供の体格は向上したが、依然として残り続ける体格の南北グラジエントは栄養素摂取量の地域差や遺伝的要因によるものではなく、環境的要因によるものである可能性が高い。研究代表者らは、これまでに、都道府県単位の学校保健統計やメッシュ気候値などの地理データを用いて、実効的日長時間(ある照度の閾値を越える日長時間)という気候要素を用いれば、体格の地域差と日長時間の分布の関係が光周性という観点から説明できる可能性を見出した。本研究は、日本人の子供の体格の地域差と日長時間などの気象要素との関係をGIS(地理情報システム)などで分析し、日本人の子供の体格の地域差および日長環境の分布の関係が光周性生理機構から説明できるかどうかを明らかにすることを目的としている。 本研究は、いわゆる地理相関分析であるが、子供の身長の地域差と体重の地域差の両方が、同時に、実効的日長時間の違いにより説明が可能であるという点で他の地理相関研究の結果とは異なっている。光周性という観点から、同じ実効的日長時間という気候要素が身長の分布、および体重の分布の両方を同時に説明できるということは確率的には極めて稀であると考えられる。すなわち、子供の体格の地域差が光周性反応によって起こっているとすると合理的な説明が可能になる。 日長時間は、季節的変動をもって人の生理に影響を与えているはずであり、現在、季節的に変動する実効的日長時間のうち、どの時期の日長時間が身長及び体重の地域差を引き起こしているのかを分析している。この結果が光周性反応から予測される結果と一致するならば、子供の体格の地域差が、光周性反応により引き起こされていることを示唆する新たなエビデンスとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の勤務先が移動となり、研究環境が大きく変化したことに加え、コロナ禍で様々な制約が加わったことにより移動等が制限され、研究はあまり進捗していない。
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Strategy for Future Research Activity |
日長時間は、季節的変動をもって人の生理機能に影響を与えているはずであり、現在、季節的に変動する実効的日長時間のうち、どの時期の日長時間が身長及び体重の地域差を引き起こしているのかを分析している。この結果が光周性反応から予測される結果と一致するならば、子供の体格の地域差が、光周性反応により引き起こされていることを示唆する新たなエビデンスとなる。 予備的解析では良好な結果を得ており、今後、本解析を進め結果を公表したい。
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Causes of Carryover |
研究代表者の勤務先が移動となり研究環境が大きく変化したことに加え、コロナ禍により様々な制約が生じている。研究自体が遅れたことにより支出が抑えられたものであり、今後研究が進捗すれば支出が必要となるものである。
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