2023 Fiscal Year Annual Research Report
SOCS3欠失マウスにおける食事誘発性炎症がGVHD重症化に及ぼす役割
Project/Area Number |
21K11671
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石黒 創 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (10826283)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛木 隆志 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80579152)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | SOCS3 / 高脂肪食 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌叢研究から食生活と移植片対宿主病(GVHD)の重症度に密接な関連が示唆され始めている。一方、我々はサイトカインシグナル伝達阻害因子(suppressor of cytokine signaling: SOCS)ファミリーの研究から、SOCS3ノックアウト(KO)マウスでは、高脂肪食(HFD)負荷で腸内細菌叢の異常を起点とした全身炎症が誘発されることから、SOCS3が食事誘発性の炎症抑制に関与していることを報告してきた。 この研究をもとに、マウスGVHDモデルで、①高脂肪食負荷がGVHD効果を誘発するか、②さらにこの現象はSOCS3が抑制に関与しているか検討を行った。 8-10週齢の血球特異的SOCS3KOマウスあるいは野生型(WT)(C57BL/6 background、H-2b)をドナーとし、7GyのTotal body irradiationを照射したBalb/c(H-2d)レシピエントへ同種骨髄移植を行ない、急性GVHDモデルを作成した。また、移植細胞数は骨髄単核球5×106 cells + 脾単核球 1×105 cells(Low dose)または5×105 cells(High dose)とした。レシピエントには4週齢よりHFDもしくはコントロール食(chow)を投与した。ドナーマウスおよび給餌種類により、WT-chow(WC)、WT-HFD(WH)、SOCS3KO-chow(SC)、SOCS3KO-HFD(SH)の4群に分け、生存率とGVHDスコアを検討した。 Low dose移植時には、生存期間は有意差がなかったものの、SH群は他の3群と比べ移植後28日に有意なGVHDスコアの増悪を認めた。High dose移植時には、SH群は他の3群と比べ生存期間中央値の有意な短縮を認めた。また、Low dose移植後30日の解析では、SH群は他の3群と比べ末梢血中の顆粒球数の有意な増加(を認め、また脾臓で、CD8 Effector Memory T細胞割合の有意な上昇を認め、リンパ球の活性化を認めた。 高脂肪食負荷はGVHDを悪化させると共に、SOCS3KOはその炎症をさらに増悪させたことを見出した。
|