2021 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of the effect of butyric acid on macrophage differentiation and the development of new diet therapy for Crohn's disease
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21K11681
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
谷村 綾子 熊本県立大学, 環境共生学部, 助教 (10610199)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マクロファージ / 細胞分化 / 酪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの大腸内において、腸内細菌は食物繊維等を分解し、酪酸などの有機酸を産生する。この有機酸が免疫細胞の賦活化に関わっており、ひいてはクローン病などの炎症性腸疾患に関与している可能性が示唆されている。そこで、酪酸を用い、免疫細胞の一つであるマクロファージの分化にどのような影響を与えるのかを明らかにする目的で検証を行っている。 マクロファージへ分化可能なヒト前骨髄球系細胞HL-60を用いて、酪酸の適切な使用濃度、細胞毒性、酪酸単独でのマクロファージ分化誘導の有無を検証した。培地はRPMI1640を用い、酪酸は水溶液にし、直前添加した。処理24時間後に分化の有無、生存率を確認した。未分化なHL-60は浮遊しており、マクロファージに分化するとdish底面に接着する。そのため、分化については底面に接着しているかどうかで確認し、さらにMay-Grunwald Giemsa染色を行った。生存率についてはトリプシンで細胞をはがしたのち、トリパンブルー染色液を用い、cell counterでカウントした。結果として、細胞毒性なく、利用できる濃度を確立した。酪酸単独でのマクロファージ分化化誘導については、前実験と異なり、分化誘導されない傾向がみられたが、さらに回数を重ねて検証する。 また、HL-60はホルボールエステル(PMA)処理下でマクロファージへ分化できる。体内において、分化誘導因子の存在が考えられるため、PMAで分化を化を刺激した上で、酪酸を同時添加し、マクロファージ分化割合が影響を受けるかどうかについても検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
居室の引っ越しの他、新型コロナウイルス流行に伴い、授業・実習といった学内業務、病院実習といった学外実習が影響を受け、現在でも対応に追われているため。
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Strategy for Future Research Activity |
酪酸単独でのマクロファージ分化誘導の有無を明らかにする。酪酸を利用するための代謝経路の活性化を確認する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ禍で研究が計画通り遂行できなかったため。ならびに、細胞や必要な試薬等は科研費獲得前にすでに購入しており、計画の遅延も併せ、追加購入の必要がなかったため、残額が生じた。
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