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2021 Fiscal Year Research-status Report

細胞老化抑制による、新しいNASH治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 21K11689
Research InstitutionNakamura Gakuen College

Principal Investigator

加藤 正樹  中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (60444808)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 末武 勲  中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (80304054)
田辺 賢一  中村学園大学, 栄養科学部, 准教授 (60585727)
小野 美咲  中村学園大学, 栄養科学部, 講師 (10441726)
安永 明日香  中村学園大学, 栄養科学部, 助手 (60846319)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords非アルコール性脂肪肝炎 / 細胞老化 / フィトケミカル / 細胞死 / 肝線維化
Outline of Annual Research Achievements

NASH発症過程における細胞老化の関与を検討するために、8週齢のC57雄性マウスを用いて30%高脂肪食(HFD)と30%フルクトース水によるNASHモデルを作成した。18週後には、体重はHFD群で低下していたが(HFD群:対照群、26.2g:37.2g)、肝重量(3.4g:1.7g)および肝/体重比(12.9%:4.6%)はHFD群が有意に増大していた。HFD群では15週後より肝小葉内に炎症細胞浸潤および肝細胞の風船様変性が出現したが、対照群ではほぼ認められなかった。CD68陽性マクロファージ数はHFD群で有意に増大していた(55:35/10HPF)。24週後のHFD群では、肝線維化の出現とともに、細胞老化を示すp19陽性細胞が肝小葉内にびまん性に認められ、NASH発症プロセスは細胞老化を伴うことが示唆された。
フィトケミカルによる肝細胞への影響を評価するために、クルクミン(Cr)とスルフォラファン(Sf)を肝癌細胞株HepG2の培養液中に加えて、脂質代謝関連遺伝子の発現をRT-PCRで解析した。非添加群を1.0とすると、脂肪酸合成系の指標であるFAS(Cr群:Sf群、0.5:0.3)とSREBP1c(0.5:0.4)はいずれも低下し、VLDL分泌の指標であるApoB(0.7:0.3)およびMTP(0.3:0.18)も低下していた。脂質酸化の指標であるCPT1(0.4:0.4)およびACOX1(0.6:0.3)は低下したが、活性酸素除去能の指標であるSOD(4.6:3.25)、カタラーゼ(9.0:7.0)は共に増大していた。Sf群では、アポトーシスを誘導するBaxは2.8に上昇し、細胞老化を誘導するp21は0.2と低下した。これらの結果から、CrおよびSfはいずれも脂質合成を抑制しながら活性酸素除去を促し、Sfには細胞老化を抑制して細胞死を誘導する作用が示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

定量的SA β-GAL測定による、HepG2細胞を用いた細胞老化アッセイについては、継代数および刺激後の培養日数による影響が大きく、安定したデータが得られるまで条件設定を繰り返し行った。次第に最適な条件設定が可能となりつつあり、過酸化水素(H2O2)およびドキソルビシン(DOX)の処理条件(濃度・暴露時間・暴露後継続培養期間)の詳細を決定しているところである。
上記のことから、細胞老化の誘導活性に優れたフィトケミカルのスクリーニングにはいたっていないが、本研究室での使用経験が深いCrとSfを選択して、HepG2細胞の代謝関連遺伝子のmRNA発現に与える影響を解析した。その結果、両者とも脂質合成抑制・抗酸化活性増強を示し、さらに、Sfには細胞死誘導・抗老化活性を認め、NASHの発症・進展を抑制できる可能性が示唆された。
本学におけるNASHモデル動物の確立については、特に問題なく進めることができた。

Strategy for Future Research Activity

これまでの検討では、HepG2細胞を用いた定量的SA β-GALアッセイの培養条件として、H2O2濃度(0.25mM~0.5mM)、DOX濃度(0.5μM~2μ)、1~2時間刺激、刺激後6~8日間の継続培養が、細胞老化の検出に有用である。さらに詳細に条件検討を行い、最適条件の決定後に細胞老化抑制活性に優れたフィトケミカルのスクリーニングを行う予定である。優れた候補物質が選定できれば、HepG2細胞の培養液中に添加し、細胞内代謝に与える影響を各遺伝子発現の解析により評価する。また、初年度に本学で確立したマウスNASH動物モデルに投与して、NASH発症・進展に与える影響を解析する。
NASH発症機構における細胞老化の関与を検討するために、令和3年度に得られたマウス肝(15週、18週、24週)を用いて、細胞老化マーカー(p16, p19, p21)、マクロファージ浸潤(F4/80)、肝星細胞活性化(αSMアクチン)などの免疫染色を行い、時間的・空間的分布を解析し、炎症や線維化の進展と細胞老化現象が、時間的・空間的にどのように関連しているか解析する。

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Published: 2022-12-28  

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