2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K11697
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
美藤 純弘 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (20240872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 康敬 名古屋大学, 環境医学研究所, 研究員 (30908124)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 上唾液核 / 視床下部外側野 / オレキシン |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスは遺伝子組換えの種類が豊富なので、本研究課題はマウスを使った測定系を確立し分析を進める予定であった。しかし、共同研究者の向井らがオレキシンCreラットを開発したので、これまでのラットにおける研究成果を生かすためにもラットで行うことにした。本研究ではラット視床下部外側野ニューロンを電気刺激あるいは光刺激したときの上唾液核ニューロンの応答や唾液分泌を調べる予定であるが、そのためには視床下部外側野に電気刺激または光刺激するための光ファイバーを刺入する位置を特定する必要がある。そこで上唾液核ニューロンに投射する視床下部外側野ニューロンの分布を検討するために、上唾液核に蛍光色素を投与し、逆行性軸索輸送により視床下部外側野ニューロンを染色した。上唾液核(吻尾側方向に500マイクロメートル、背腹方向に500マイクロメートル)に局所的に色素注入するのは精密な技術を要するためにまだ成功例が少ないが(n=2)、標識ニューロンは視床下部外側野において吻尾側方向に広範囲に渡って分布しているように思われた。この標識ニューロンのうちオレキシン産生ニューロンはどれくらい割合で存在し、またどのように分布しているか、オレキシンに対する免疫染色を行うことにより検討中である。この実験は本研究において重要な部分で、刺激部位について確証を得るために現在集中的に行なっている。一方、オレキシンニューロンを特異的に興奮させるために、470 nm光で細胞を活性化させるチャネルロドプシン2をオレキシンニューロンに組み込むことを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オレキシン産生ニューロンにチャネルロドプシン2を発現させたラット を作製することができていないので光刺激実験を行うことができていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
上唾液核ニューロンに投射する視床下部外側野ニューロンのうち、オレキシン産生ニューロンの分布を明らかにする。また、オレキシンニューロンを興奮させるチャネルロドプシン2を発現させたラットの新鮮脳スライス標本を作製し、パッチクランプ法により上唾液核ニューロンから記録を行い、光刺激したときの応答を分析する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による行動制限のため学会参加ができなかった。また、物品費が想定より安価に抑えることが出来たため、次年度使用額が生じた。次年度に光刺激実験の関連装置を購入する必要が生じたため、当該費用に充当する予定である。
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Research Products
(1 results)