2022 Fiscal Year Research-status Report
フルクトースと脂肪酸による脂質代謝変動の臓器特異性の解明
Project/Area Number |
21K11711
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
岸田 邦博 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (30412703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 勇人 和歌山県立医科大学, 共同利用施設, 准教授 (00223298)
永井 宏平 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (70500578)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フルクトース / 脂肪酸 / 油脂 |
Outline of Annual Research Achievements |
小腸におけるフルクトース摂取による代謝変動が、脂肪酸の種類により、どのような修飾を受けるかを検討するため、SD系雄性ラットに①グルコース+大豆油、②グルコース+魚油、③フルクトース+大豆油、④フルクトース+魚油を含む飼料を1週間給餌した。飼料中含有量は糖質60%、油脂15%とし、その他の成分は基本的にAIN93組成に準じた。ラットの体重は魚油の摂取によりやや低い傾向があった。血漿中トリグリセリド濃度は、フルクトース摂取による上昇、魚油の摂取による低下作用が観察され、③フルクトース+大豆油>①グルコース+大豆油>④フルクトース+魚油>②グルコース+魚油の順に高い値を示した。肝臓中トリグリセリド濃度は、血漿中トリグリセリド濃度とは異なり、①グルコース+大豆油>③フルクトース+大豆油>④フルクトース+魚油>②グルコース+魚油の順となり、フルクトースによる脂肪肝誘導作用は大豆油(飼料中15%)の摂取下では影響が小さいことが分かった。小腸のうち、最もフルクトース摂取の影響を受けやすいと考えられる部位である、空腸上部を採取して、遺伝子およびタンパク質発現の解析に供した。リアルタイムPCRでは、フルクトーストランスポーターであるGLUT5のmRNA発現量がフルクトース摂取により大幅に上昇し、油脂の違いによる影響としては大豆油を摂取した群がやや発現量が高い傾向があった。現在、LC/MSを用いたタンパク質の網羅的解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
LC/MSによるタンパク質解析がまだ完了していないことと、代謝測定の条件検討が難しく、あまり進んでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
LC/MSによるタンパク質解析を完了させるとともに、大きな変動が観察されたタンパク質の機能を調べ、その影響を考察する。またリアルタイムPCRにより、mRNA発現解析を確認し、タンパク質発現との相関を解析する。
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Causes of Carryover |
エネルギー代謝測定実験における条件設定が難しく、実験が予定より大幅に遅れているため次年度使用額が生じた。使用計画としては、引き続きエネルギー代謝測定の条件検討を行い、測定条件の確立を目指す。
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Research Products
(1 results)