• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

Effect of running exercise on myelin damage caused by maladaptation to stress in female mice

Research Project

Project/Area Number 21K11732
Research InstitutionInternational University of Health and Welfare

Principal Investigator

黒川 和宏  国際医療福祉大学, 薬学部, 講師 (30454846)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 辻 稔  国際医療福祉大学, 薬学部, 教授 (70297307)
宮川 和也  国際医療福祉大学, 薬学部, 准教授 (10453408)
高橋 浩平  国際医療福祉大学, 薬学部, 助教 (90846411)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsストレス / 雌性 / うつ病 / ミエリン
Outline of Annual Research Achievements

精神疾患の罹患率は男性よりも女性の方が高いにも関わらず、基礎研究ではモデル動物の作成および評価に雄性マウスを用いることがほとんどである。これまでに我々は、雄性マウスを用いた基礎研究において、負荷するストレス刺激の強度を変えることにより、ストレスに対して適応し情動行動の低下を示さないストレス適応モデルマウス(適応マウス)と、適応機構が破綻し、情動行動の低下を示すストレス非適応モデルマウス(非適応マウス)を作製できることを明らかにしている。また、これらモデルマウスを用いた検討において、非適応マウスの海馬内ではミエリン構成タンパク質であるmyelin associated glycoprotein(MAG)およびmyelin basic protein(MBP)の発現量が低下するが、適応マウスでは有意な変化は認められないことを明らかにしている。2021年度の検討において、雌マウスを用いて4時間の拘束ストレス刺激を14日間慢性負荷することにより、ホールボード試験における情動行動の有意な低下が認められた。この結果より、2022年度は、上記の雌モデルマウスの海馬におけるミエリン構成タンパク質[MAG、MBP、proteolipid protein(PLP)および2’,3’-cyclic nucleotide 3’-phosphodiesterase(CNPase)]の発現量を検討したところ、いずれのタンパク質も有意に減少していた。以前の研究において、雄性マウスで作製した非適応マウスの海馬で減少が認められたのはMAGとMBPのみであったことを考慮すると、雌性マウスの海馬ミエリンは雄性マウスよりもストレスに対して脆弱である可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究の目的は、雌性マウスを用いて、ランニング運動がミエリンの形成に及ぼす影響を多角的に実証し、ストレス性精神疾患の発症の予防あるいは改善の可能性を提唱することで新規うつ病治療薬の開発への応用につなげることである。この目的の達成に向けて、2022年度では、雌マウスを用いてストレス性精神疾患モデルマウスの作成を行い、ミエリン構成タンパク質量を解析した。結果として、「研究業績の概要」に記載したとおり、ストレス刺激に対する性差の違いが認められた。なお、当初予定していたそのモデルマウスの脳内におけるミエリン構成タンパク質、オリゴデンドロサイト前駆細胞、成熟型オリゴデンドロサイト、アストロサイトおよびミクログリアの発現量ならびに形態変化については、当該年度内に実施できなかったため、次年度の検討課題とした。

Strategy for Future Research Activity

2023年度では、免疫組織化学染色法に従い、ストレス非適応モデルマウスの脳内におけるミエリン構成タンパク質、オリゴデンドロサイト前駆細胞、成熟型オリゴデンドロサイト、アストロサイトおよびミクログリアの発現量ならびに形態変化を解析する予定である。また、オリゴデンドロサイトの転写因子(Olig2、SOX10、NKX2.2、MRF、zlp24等)の変動をWestern blot法ならびに免疫組織化学染色法により詳細に解析を行う。さらに、ストレス性精神疾患モデルマウスにAMPK活性化薬(AICARならびにメトホルミン)を投与することで、ストレス適応能力に対する影響を検討する。また、雄性マウスのストレス適応ならびに非適応モデルマウスとのオリゴデンドロサイトの発現について比較検討を行う予定である。

Causes of Carryover

「現在までの進捗状況」に記載したとおり、2022年度内では、当初予定していたストレス性精神疾患モデルマウスの脳内におけるミエリン構成タンパク質、オリゴデンドロサイト前駆細胞、成熟型オリゴデンドロサイト、アストロサイトおよびミクログリアの発現量ならびに形態の解析まで至らなかった。したがって、これら検討のために見積もっていた各種消耗品(実験動物、抗体、組織化学的検討用試薬・消耗品など)の費用を、次年度に繰り越すこととした。本未検討課題については2023年度に実施する予定であり、その際に発生する費用に今回繰り越した次年度使用額を充当する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 5-HT1A受容体刺激はストレス不適応マウスにおけるGab1/GSK3βシグナリングを介してオリゴデンドロサイト転写因子を促進させる2022

    • Author(s)
      黒川和宏 , 髙橋浩平 , 宮川和也 , 持田(齋藤)淳美 , 武田弘志 , 辻稔
    • Organizer
      第96回日本薬理学会年会

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi