2021 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive association analysis of genomic mutations affecting food selection behavior and its modeling
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21K11735
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
於保 祐子 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (60381571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 和郎 大阪大学, 数理・データ科学教育研究センター, 特任准教授(常勤) (10415185)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 遺伝栄養学 / ゲノム関連解析 / 食行動 / バイオインフォマティクス / 個別栄養学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、食選択行動と個別全ゲノム情報との網羅的関連解析を行いその結果をモデル化する事により、個人の食行動に影響する遺伝学的背景を明らかにする目的で行う。まず食事記録に記載された食選択行動と個別ゲノム情報との関連解析を行って候補遺伝子を特定する。次にこれらの遺伝子が関与する代謝経路・情報伝達経路や生体分子相互作用を示す分子レベルモデルを作成する。モデル化により新たな知見を得る事で、個別栄養学に必要な遺伝学的情報を拡充し、その新たな展開を図る。各人がゲノム情報を得てそれにあった食事指導・支援を受ける個別栄養学は、広く社会的関心が高い分野である。本研究は、従来解析させることが少なかった食選択行動に注目し、個別全ゲノム情報との網羅的関連解析を行ってその結果をモデル化する事により、栄養指導・栄養教育などに資する新たな知見を得るものである。 本年度は全ゲノム解析の前段階として、予備的研究や新規文献調査に基づいて食選択行動との関連が推定される候補遺伝子を30程度選んで解析を行うこととした。これまでの検討結果や、今年度新たに文献情報検索システムを用いて得られた多くの候補遺伝子の中から、独自法(アトラス・インフォマティクス手法)によって得られた脳解剖学的知見などを考慮し、更に栄養素を摂取した情報が脳に入力しそれによって生体が応答する系に焦点をあてて検討を行い、関連解析する遺伝子を選定した。また、次年度以降の全ゲノム解析に向けた情報処理端末の整備について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
東北大学メディカルメガバンク(ToMMo)から研究分担者が所属する大阪大学へのゲノム情報の分譲について、専用情報処理端末の設置条件等について分譲規約に一致しない状況があり、予定していた全ゲノム情報と食事記録の分譲申請を行えなかった。設置条件が整うまでの当面の間、30程度の遺伝子に限定してのゲノム情報分譲を申請し、関連解析を行う事とした。30遺伝子の選定に際しては、予備的研究や文献情報検索で得られた候補遺伝子について独自法であるアトラス・インフォマティクス等の手法を用いて解剖学的知見を加えて検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
当面解析する遺伝子については、予備的研究結果などから食選択行動との関連が高いと考えられるものを選んでいる。分譲申請が受理された後に、可能な限り多人数についてこれら遺伝子上のゲノム変異と食事記録、摂取栄養素、検体検査情報との間の関連解析を行い、遺伝情報と食行動との関係をモデル化して結果を速やかに発表する。 2022年度以降は全ゲノムでの関連解析ができるよう研究環境を整備する。
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Causes of Carryover |
東北大学メディカルメガバンク(ToMMo)から研究分担者が所属する大阪大学へのゲノム情報の分譲について、専用情報処理端末の設置条件等について分譲規約に一致しない状況があり、予定していた全ゲノム情報と食事記録の分譲申請を行えなかった。 2022年度においては、繰越分と合わせた研究費を端末設置条件の改善に用いる予定である。
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