2022 Fiscal Year Research-status Report
舌骨上筋群表面筋電位パタン解析を用いた至適食品選択手法の開発
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21K11738
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
柴本 勇 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (30458418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 誠 岩手大学, 理工学部, 准教授 (80404119)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 表面筋電 / 食物物性 / 嚥下 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、佐々木らが開発した多チャンネル舌骨上筋群表面筋電を用いた舌運動・嚥下可視化法を応用させて、摂取時に必要な嚥下運動の観点から客観的に判断しデータベース化された市販食品から抽出し判定する方法を開発することである。本開発を通じて、個々の嚥下能力に合致した食品選択が非侵襲的に可能とする基盤を開発することを目標としている。 2022年度は、2021年度に計画をしていた舌骨上筋群筋電位パタン計測データを集積することを目標としていたが、十分な計測データ収集までは至らなかった。2022年度については、2018年~2021年に実施した科研費研究課題(基盤研究C:課題番号18K11033)「舌骨上筋群表面筋電位パタン解析を用いた市販食品分類」で得られた4パタンの食品分類に区分けする方法によって、2021年度に実行した取り込み・咀嚼・送り込み・嚥下の経時時間についての基準化と基準化に沿った食品分類を行うデータベースを検討することができた。その結果、日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2021の各段階で必要な口腔運動の時間的タイミングを推定するアルゴリズムを構築した。本結果を、第2回日本口腔看護研究会で公表した。加えて、表面筋電を用いた口腔運動検証からの食品推定について検討し、食品物性を決定する口腔運動の時間的関係性を明らかにすることができた。本内容を第28回日本摂食嚥下リハビリテーション学会で公表した。加えて、日本言語聴覚療法臨床研究会で2021年度と2022年度の成果を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請段階では、2022年度は次の通り計画していた。 舌骨上筋群筋電位パタン計測データを集積する。使用食品は粘度の異なる液状食品3種類、半固形食品5種類、固形食品12種類の咀嚼および嚥下時の舌骨上筋群筋電位パタン計測を実施する。方法は、分担研究者である佐々木らが開発した方法で実施する。被験者は嚥下障害を認めない若年健常被験者、高齢被験者、嚥下障害と診断された者に対して実施する。加えて、得られたデータを集積するデータベースの開発を分担研究者と共に行う。最終的には、2023年度以降に行う方法の開発に向けた基礎データベースを構築する。 しかし、新型コロナウイルス感染症まん延にて、被験者からのデータ収集が滞ったために、各食品でこれまで集積したデータを用いて必要口腔運動を4パタンに分類化とそのデータベース化および食品から口腔運動の推定についての検討にとどまった。新たなデータを収集することにまでは至らなかった。これがやや遅れていると判断した理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は新型コロナウィルス感染症が5類感染症に分類されることから、口腔運動や食品を用いたデータ収集などについて、健常高齢者や嚥下障害者などこれまで困難であった被験者からの収集が可能となる。これで新たなデータ収集が可能となり、研究が加速することが予測される。 2022年度に以前に取集したデータを用いて検討したデータベースの基礎的検討が構築されつつあるため、新たなデータ収集に向けた実験の方法を決定できている。基本的感染管理を徹底しつつ、これまで検討してきたプロトコルを活用することができる。 2023年度は2022年度に検討した方法に誤りがないかの確認を7月・8月の国際学会で確認して意見交換をすることによって進行する計画を立案している。7月と8月の国際学会では演題が採択されている。
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Causes of Carryover |
2022年度は被験者からの計測データを取得せず、これまでのデータを活用してデータベース化の検討を進めたため、謝金の支出がなかった。データベース構築やこれまでの研究成果の公表のために学会出張をしたため旅費が発生している。これらの点が計画と異なっている。2023年度はデータ収集を行う計画をしていることから、謝金やデータ収集に係る費用を計画している。
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