2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of treewidth algorithms based on path-like tree-decompositions
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21K11761
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
玉木 久夫 明治大学, 理工学部, 専任教授 (20111354)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 木幅 / 木分解 / 上界 / 下界 / マイナー / コントラクション / 発見的手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
木幅の発見的な上界計算と発見的な下界計算の双方に大きな進展があった。上界計算は、申請者の2019年の結果を発展させるものであり、詳細は省略する。 グラフGの木幅をtw(G)で表す。HがGのマイナーであるとき、tw(H)がtw(G)の下界であることはよく知られている。この研究では、tw(H) < tw(G)であるようなGのマイナーHが与えられたとき、GのマイナーH’でtw(H) < tw(H’)を求める発見的な手続きlift(H)を開発した。Gの辺集合でサイクルを含まないものをGのコントラクタと呼ぶ。FがGのコントラクタであるとき、GからFの辺をすべて縮約して得られるGのマイナーをG / Fで表す。fがGの補グラフの辺であるとき、G + f によってGに辺fを加えて得られるグラフを表す。FをGのコントラクタ、fをGの補グラフの辺fとするとき、tw(G + f / F) > tw(G / F)であるならば、fはGのFに関するクリティカルフィルであるという。Gを固定するとき、lift(G / F)は次のステップで進む。1. Gの補グラフの辺fを適当に選ぶ。 2.Lift(G + f / F)を実行して結果をG + f / F_1とする。3.F_1の部分集合F_2でtw(G / F_2) > tw(G / F)であるものを見つける。4. F_2を包含するコントラクタF_3でtw(G / F_3) = tw(G / F_2)を満たすもののうち極大なものをみつけ、G / F_3を結果とする。 比較的自明な木幅の下界から出発してlift操作の繰り返しにより、漸進的により強い下界を求めていくのが我々のアルゴリズムである。 前述の上界アルゴリズムとの組み合わせにより、伝統的は木幅ソルバーで解くことのできないグラフインスタンスの木幅を計算できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
木幅の実用計算アルゴリズムとして、従来法をはっきりと凌駕するものを開発することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
アルゴリズムの改良を続けるとともに、研究目標として挙げた、より実用的な実装とその普及の活動を開始する。
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Causes of Carryover |
研究経費は、主に国際会議参加等の海外出張旅費として計画していたが、COVID19の影響で海外出張を実施することができなかった。2022年度は対面での国際会議に参加し、また海外研究期間との共同研究を行うための出張旅費として使用する。
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