2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of treewidth algorithms based on path-like tree-decompositions
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21K11761
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
玉木 久夫 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (20111354)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | treewidth / exact algorithm / pracitical algorithm / graph contraction |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフの辺縮約に基づいた木幅計算の再帰アルゴリズムを開発した。このアルゴリズムは、従来の木幅アルゴリズムが実用的な時間内に解くことができなかったインスタンスの多くを解くことができる。具体的には、アルゴリズム実装コンテストPACE2017の事後に公開されたボーナスインスタンスセットに対して好結果を挙げている。このインスタンスセットは、最先端木幅ソルバーに対する難易度が広く分布した100個のインスタンスからなる。インスタンスあたり10000秒の時間制限で実行した場合、従来の最先端ソルバーの二つであるTamaki17とTamaki23はそれぞれ100個のうちの68個、82個のインスタンスを解くのに対して、新しいアルゴリズムを実装したソルバーは98個のインスタンスを解くことができる。明らかに、実用的な時間内の解くことのできるインスタンスの範囲を広げている。 また、Maastricht大学のAlexander Grigoriev、Tom van der Zandenとともに平面グラフの木幅の研究を開始した。平面グラフの分枝分解について知られていた性質を木分解に対して拡張した次の結果を得ることができた。球面上に描画された平面グラフGの分枝分解Tは、Tの辺に対応するGの辺集合の2分割が常に球面の閉曲線による2分割によって表現できるとき、球面カット分解と呼ばれる。分枝幅最小の分枝分解で球面カット分解が必ずあることが知られていた(SeymourとThomas)。我々は、木幅が最小の分枝分解で球面カット分解であるものが必ずあることを示した。証明はSeymourとThomasの分枝幅に対する結果の証明の非自明な適用である。また、平面グラフの潜在極大クリークの特徴づけについて精力的に研究を行った。良い特徴づけは効率の良い木幅アルゴリズムに結ぶつく可能性があるため重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
辺縮約に基づいた木幅の厳密計算アルゴリズムは申請時に想到しておらず、また一般にも知られていなかったものであり、これを得ることができたのは望外の成果である。今後の実用的な木幅計算の適用範囲を大きく広げた。
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Strategy for Future Research Activity |
辺縮約に基づいた木幅アルゴリズムにはさらなる改良の可能性が残されているので、2024年度はその可能性を追求する。特に、縮約されたグラフの潜在極大クリークの集合をもとに、元のグラフの潜在極大クリークの集合を計算するアルゴリズムとその基礎となる理論を追求する。また、平面グラフの木幅アルゴリズムについても引き続き研究を行い、平面グラフに対して一般のグラフに対するアルゴリズムよりも効率の良いアルゴリズムの開発を目指す。
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Causes of Carryover |
国際会議の参加回数が予定より少なかったため。2024年度には主に国内旅費に使用する。
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