2021 Fiscal Year Research-status Report
Multidisciplinary research on diffusion processes on various network models and their applications
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21K11763
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
高井 勇輝 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (90599698)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ハイパーグラフ / 熱方程式 / ランダムウォーク / リーマン面 / 被覆時間 / QM アーベル多様体 / 自己準同型環 / coarse Ricci 曲率 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は, 1. ハイパーグラフの coarse Ricci 曲率の研究, 2. 有限体上の QM アーベル多様体の自己準同型環の研究, 3. ハイパーグラフ上の熱方程式の差分近似解の研究, 4. 曲面上のグラフの研究を中心に行った. 1. では, 北別府悠氏(熊本大学), 池田正弘氏(理化学研究所)との共同研究で得られていたハイパーグラフの coarse Ricci 曲率に関する研究において, 解決していなかった上側 Ricci 曲率と下側 Ricci 曲率の一致に関する部分を, 上原崇人氏(岡山大学)を加えた共同研究として解決した. また, これらの結果の劣モジュラ変換(ベクトル値劣モジュラ関数)への拡張も行い, これらをまとめて論文誌に投稿した. 2. については, 新井啓介氏(東京電機大学)との共同研究で, 有限体上の四元数環に乗法を持つアーベル多様体の自己準同型環の構造に関する研究について, これまでに得られたことを論文にまとめた. 3. では, 吉田悠一氏(NII), 宮内敦史氏(東京大学), 池田正弘氏(理化学研究所)との共同研究として得られていたハイパーグラフ上の熱方程式に関する結果に関して, 熱方程式の解の差分近似を用いて得られるコミュニティのコンダクタンスについての理論的結果を与え, 論文に加え, 論文誌に再投稿した. 4. は, 松本直己氏(慶應義塾大学)との共同研究として, Jonasson-Schramn により知られていた平面グラフのランダムウォークの被覆時間の上下限に関する結果を, 種数 g のコンパクト向き付け可能曲面上のグラフに拡張することを試み, 付随するリーマン面上の circle packing の最大半径が小さくなるというある種の均一性が成り立つ状況でカバータイムの上下限を得た. 本研究に関しても論文にまとめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、研究代表者の本務の変更もあり、主としてこれまでにわかっていることを形にすることとブラッシュアップすることで今後の研究の地盤を固めることを目標とした. その点で、上記のようなブラッシュアップと論文の作成を着実に進められたため「概ね順調」とした.
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Strategy for Future Research Activity |
ハイパーグラフ、有向グラフの埋め込みアルゴリズムの研究を推し進めると共に, 非線形極大単調作用素に対するレイリー商の最小化問題と熱の関係の解明にも着手する. 一方で, ラマヌジャン複体の志村多様体の還元としての構成に関する情報を収集整理し, その性質の解明の実現性について考察する.
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Causes of Carryover |
コロナ蔓延防止のため、出張をすることが出来なかったことと, 物品の購入は同時に受けている助成金の使用を優先したことによる.
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