2021 Fiscal Year Research-status Report
Representations and algorithms for dynamic packing of rectangles and rectangular solids
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21K11768
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 俊彦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (30212012)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 長方形パッキング / 直方体パッキング / 動的パッキング / 表現法 / アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は動的な長方形および直方体パッキングの表現法とアルゴリズムの開発である。令和3年度は特に動的な直方体パッキングのアルゴリズムの開発を行った。具体的には研究実施計画に従い、輸送トラックのコンテナへの荷物の積み込み・積み下ろし問題を取り上げた。いくつかの地点を廻って荷物の積み込みと積み下ろしを行う輸送トラックはいずれのタイミングでも、すべての荷物をコンテナに収めなければならない。このスケジュールを効率よく求めるためのアルゴリズムとしてボックス法を開発した。 令和3年度に取り扱った積み込み・積み下ろし問題は、荷物およびコンテナを直方体とし、各荷物が積み込み時刻から積み下ろしの時刻までコンテナ内部に配置されるという動的な直方体パッキング問題として定式化される。ここでは、荷物の向きは固定されている(方向を変えて配置しない)ものとし、全時刻に渡る荷物のx座標の最大値を目的(評価関数)として最小化する。(「x座標の最大値の最小化」とは荷物をできるだけコンテナの奥に詰め込むことに対応している。) 提案アルゴリズムであるボックス法は各荷物を一旦ボックス(箱)に割り当てることで、動的なパッキング問題を静的なパッキング問題へ還元する手法である。アルゴリズムの実装では、直方体パッキングの表現法であるsequence-triple(既存の表現法)を用い、ボックス法を用いない素朴なアルゴリズムと計算機実験による比較を行った。計算機実験の結果は、ボックス法が素朴なアルゴリズムと比較して、良質の解を高速に求めることができることを示した。 また、さらにボックス法に対する改良も試みた。ただし、この改良ボックス法は解の質は元のボックス法と比べ、多少改善されるものの、計算時間を要する結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は研究計画通りに輸送トラックのコンテナへの荷物の積み込み・積み下ろし問題に着手し、動的な直方体パッキングを行うアルゴリズムを開発することができた。開発したアルゴリズム(ボックス法と呼ぶ)を実装し、高速によい解を求めることができることが確認できた。しかしながら、ボックス法は開発されたばかりの手法であり、以下のような多くの検証が課題として残された。 1.配置の表現法は既存手法であるsequence-tripleを用いたが、よりボックス法に適した表現法があるのではないか? 2.性能を検証するための計算機実験の試行回数(サンプル数)が少ない。より多くの追加実験が必要である。 3.実験と並行して、ボックス法の理論的な特徴についての考察も望まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
コンテナへの荷物の積み込み・積み下ろし問題を動機として、動的直方体パッキングアルゴリズムであるボックス法を開発することができたが、前述のようにその性能の検証が課題として残されている。令和4年度はボックス法に対し、(1)より適した配置表現法の開発、(2)追加の計算機実験による性能の詳細な評価、(3)ボックス法の理論的解析、などを行う。 また、並行して、コンテナへの荷物の積み込み・積み下ろし以外にも、実世界における様々な動的パッキング問題に対して、個々の制約条件に基づいた表現法とアルゴリズムの開発を行う。
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Causes of Carryover |
申請時には40万円台のワークステーションを購入予定であったが、物品費の予算が36万円であったため、20万円程度の他の機種を選定した。(30万円程度の機種で当初予定していたものに近い機種がなかった。)そこで、20万円程度の機種にメモリを追加することで、必要な性能を出すべく見積もりを取ったが、コロナ禍によるメモリの高騰のため、令和3年度での購入を断念した。 一方、同じくコロナ禍により、すべての学会発表がオンラインでの参加となった。そのため、旅費が使用されることがなかった。 令和4年度は前年度分と合わせてワークステーション用のメモリを導入予定である。また、コロナ禍が収まってくれば、現地開催の学会への参加し、発表を行う。
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