2023 Fiscal Year Research-status Report
Real-world application of agent based model created from BCMP queueing networks and machine learning
Project/Area Number |
21K11774
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
水野 信也 順天堂大学, 健康データサイエンス学部, 教授 (60714524)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 閉鎖型BCMP待ち行列ネットワーク / マルコフ連鎖 / 最適化 / シミュレーション / 遺伝アルゴリズム / 並列計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度においては、2022年度に構築した閉鎖型BCMP待ち行列ネットワークにおける窓口数最適化モデルを拡張し、拠点・窓口数同時最適化モデルを構築した。閉鎖型待ち行列ネットワークは、従来から膨大の計算量のため、最適化モデルを構築することが難しいと言われていたが、21年度の大規模計算環境を利用することで、最適化モデルを構築することが可能となった。23年度では拠点・窓口数同時最適化を行い、従来よりも実社会に応用できる規模での計算が可能となった。今まで拠点の窓口数は1に限定していたモデルを複数窓口に拡張し、さらに拠点に関しても最適化することで、拠点配置モデルにも適用できる形となった。複数窓口に対する計算には、再帰計算が必要となり、単一の窓口モデルと比べ、複雑な計算が必要である。本モデルに対する大規模計算環境も構築ができ、大規模モデルにおいても対応できるようになった。また、数値計算として、構築されたモデルでの理論値の算出を行うとともに、シミュレーションを実施した。レンタル自転車を対象としたシミュレーションでは、エージェントモデルにてエージェントの行動を決定し、さらに地理的情報を考慮することで、幅員や交差点などで、混雑が発生する状況を示した。これにより、交通インフラやサービス提供の最適化において、より現実的な意思決定が可能となった。特に、都市部や観光地などの混雑が懸念される地域において、レンタル自転車の利用者数や待ち行列の推移を予測し、適切な施策を打つことが可能である。また、拠点配置の最適化により、物流やサービスの効率化も期待できる。社会インフラの運用やサービス提供に関わる多岐にわたる課題に対して、より包括的かつ効果的なアプローチが可能となり、都市の持続可能な発展に寄与することが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度の当初の目的は、①2022年度に構築した閉鎖型 BCMP 待ち行列ネットワークにおける窓口数最適化モデルを拡張し、拠点・窓口数同時最適化モデルを構築すること、②地理的情報を考慮してシミュレーションを実施することであった。①については順調に実施したが、②に関しては、UnityやUnreal Engineを使用した3Dシミュレーションを行い、道路のみならず、交差点やその他の詳細な条件も加え、より現実的なエージェントモデルでのシミュレーションを検討していた。しかしながら、研究環境の移行に伴い、環境整備が遅れ、シミュレーションアプリを使用した2Dシミュレーションにとどまった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、一つ目に閉鎖型BCMP待ち行列ネットワークの最適化の社会実装がある。社会実装の例として、現在普及が広がっているEVチャージステーションの最適化モデルがある。これは日本だけでなく、世界で今後必要となるモデルであり、大きなインパクトがあると考えている。EVの普及率や利用状況などの統計情報を利用して、より現実的なEVチャージステーション最適化モデルを考案していく。 2つ目に、エージェント・ベースドモデルを構築し、理論値では得られない動的な情報を取得するプラットフォームである。3Dシミュレーションを行い、道路のみならず、交差点やその他の詳細な条件も加え、シミュレーションをすることで、施設初期設計に寄与することができる情報を提供することができる。
|
Causes of Carryover |
研究論文を複数本投稿しているが、24年度での採択を目指し、論文掲載費などに利用する予定である。
|