2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K11777
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| Research Institution | Meiji University |
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Principal Investigator |
廣瀬 善大 明治大学, 総合数理学部, 専任准教授 (10637391)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 数理統計学 / 情報幾何学 / スパース推定 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題ではオッズ比と呼ばれる量を調べる．オッズ比は，イベントの起こりやすさの目安となるオッズ（イベントが起こる確率と起こらない確率の比）の比として定義される量である．オッズ比は尤度比とも関連しており，統計学の多くの問題と関連している．
2021年度は，主に理論的な研究の一部と先行研究の調査を行った．研究計画ではベイズ統計や幾何学的な視点からの研究を実施予定であるが，2021年度は特に，オッズ比を含む自然パラメータと呼ばれるパラメータのグループに対して，幾何学的な観点からの統計的推定を考えた．さらに，自然パラメータと対をなす期待値パラメータと呼ばれるパラメータのグループについても推定を考えた．この研究は，今後も本研究課題において，統計モデルの幾何学を調べ利用する上で役に立つものである．幾何学の視点からの研究はまだ計画の一部のみを実施したところであるが，一部の成果については学会発表を行った．なお，ベイズ統計との関連については2022年度から調べることとした．
また，他分野への応用を見据えた共同研究や相談を実施した．特に，尤度と関連の深いスパース推定・正則化と呼ばれる分野の手法を用いて，化学分野の問題（励起状態と軌道との関連）について研究を行った．この共同研究については2022年度中に論文を投稿し，学会等でも成果を公表する予定である．さらに，オッズ比を頻繁に利用する分野である医学分野の研究者との研究相談を行い，本研究課題の今後の展開について検討を進めている．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題の申請時には決定していなかった所属の異動により，研究環境（部屋，資料，計算機等）の整備に時間がかかったため，研究遂行が全体的にやや遅れた．また，新型コロナウイルスと半導体不足の影響により，研究基盤整備の一環として予定していた計算機等の購入を2022年度以降に見送った．2021年度は本研究課題の初年度であったため，計算機を利用する大規模な数値実験は行わず，理論的な評価の一部と先行研究の調査を主に行った．一部の成果については学会発表を行った．
また，他分野への応用を見据えた共同研究や相談をすでに行っており，この点での進捗は予定よりも進んでいる．
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| Strategy for Future Research Activity |
基本的には応募時の研究計画に沿って研究を実施する．つまり，理論的な評価と数値実験による評価をともに進める．特に後者については，研究基盤整備として計算機等を購入し，数値実験を系統的に実施できる環境を導入することで，作業を加速する．また，2021年度はベイズ統計との関連を調べることができなかったので，2022年度はその点についても研究を進める．
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| Causes of Carryover |
所属の異動と新型コロナウイルス，および半導体不足の影響により，予定していた出張が実施できなかったことと，購入を予定していた計算機等の調達を次年度以降に見送ったため次年度使用額が発生した．繰り越した研究費は，予定通り計算機等の購入に使用し，さらに出張や資料購入にも使用する．
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