2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K11779
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
原 一夫 山形大学, 理学部, 准教授 (30467691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 郁美 長崎大学, 情報データ科学部, 准教授 (20637730)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高次元データ / ハブネス / 変化検知 |
Outline of Annual Research Achievements |
高次元で発生する現象である「ハブネス」,すなわち,データ中心に近い少数のデータが特別なデータとなる現象は「次元の呪い」として知られている.最近,われわれは,高次元空間では,データ密度に濃淡があるとき(つまり,データ分布が一様でないとき),そして,そのときに限って,ハブネスが生じることを見い出した.他方,単位球面上における一様性検定の代表的手法である Gine's test には,高次元では検出力が落ちるという弱点がある. 本研究は,これまで「次元の呪い」として厄介者扱いをされてきたハブネスを,逆に,「次元の恵み」として活用することによって,高次元単位球面上において高い検出力を持つ一様性検定の新たな手法を構築する.さらに,構築する手法を用いて,時系列データの変化検知や高次元データの2標本検定といった,高次元データに関わるタスクを解決する. 本年度の研究実績は,単位球面上における一様性検定の新たな手法を構築したことである.開発した手法が高次元で既存手法よりも高い検出力を持つことを確認した.さらに,時系列データの変化検知手法を開発した.人工データを用いた実験で,開発した手法が変化検知の能力があることを確認した.また,変化検知の過去の代表的な既存手法と比較する実験は,ほぼ終了した. 今後の展開は,本年度に開発した,単位球面上における一様性検定の手法,および,時系列データの変化検知手法を,論文投稿することである.さらに,高次元データの2標本検定へと進む予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で取り組む予定の3つのタスク:(i)高次元単位球面上におけるデータの一様性の検定,(ii)時系列データの変化検知,(iii)高次元データの2標本検定 のうち,(i)と(ii)を順調に進めているところである.
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Strategy for Future Research Activity |
(i)高次元単位球面上におけるデータの一様性の検定,(ii)時系列データの変化検知の論文投稿が完了し次第,(iii)高次元データの2標本検定に進む.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,情報収集のための学会参加が当初予定よりも少なかったため,念のために1年目に計上しておいた論文投稿費用を使用しなかったため,である. 使用計画は,学会での情報収集・研究発表,および,論文投稿である.
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