2021 Fiscal Year Research-status Report
Implementation of Shared Vector Register SoC FPGA for Machine Learning under IoT Environment
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21K11804
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中條 拓伯 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80217736)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ハードウェアアクセラレーション / RISC-V / FPGA / SoC / ベクトル拡張 / ベクトルレジスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、(1)デュアルポートレジスタの実装とレジスタ経由による遅延の評価、(2)データ転送速度向上のためのベクトルレジスタ実装と転送速度の評価、(3)アクセラレータ機能の実装と機械学習パフォーマンスの評価、の3つの研究項目を挙げている。そのために、RISC-Vを内部プロセッサとして実装し、プロセッサとアクセラレータ間においては、プロセッサ内のレジスタをデュアルポート化し、プロセッサがメモリからロードしたデータや演算処理を行ったディスティネーションレジスタを直接FPGAに高速に供給し、さらには演算結果を効率よく収集する方式を設計・実装する。 初年度にあたる2021年度では、上記研究項目の中の(1)において、RISC-Vのマイクロアーキテクチャ設計を中心に概念設計、詳細設計を行い、命令を限定した形でFPGA実装を行った。 (2)については、RISC-VのFPGA実装の設計・実装を行い、動作確認を行った。シミュレータについても開発を進め、LLVMコンパイラの出力する実行コードが動作することを確認した。 評価に用いるAIアプリケーションとしてはディープニューラルネットワーク(DNN)をターゲットとしており、演算処理を簡略化するアルゴリズムを考案したり、ノイズを含む学習データから効率的かつ認識精度を維持した学習アルゴリズムを考案し、その成果はそれぞれ英語論文としてまとめて発表し、採録された。 RISC-Vにおいて同時マルチスレッド実行機構を付加したプロセッサを実装し評価した結果を電子情報通信学会リコンフィギャラブルシステム研究会において発表し、ベクトル実装についても、2022年6月開催の同研究会において発表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度目標にしたRISC-Vのベクトル拡張の設計および実装は予定通り完成し、トリボナッチ数列や行列乗算といった高速化が求められる計算処理において有効性を確認した。その成果は、トップカンファレンスであるACM International Conference of Computer Architecture (ISCA)2022の併設ワークショップ Sixth Workshop on Computer Architecture Research with RISC-V (CARRV 2022)に投稿した結果、採録が決定した。 シミュレータについては、チューリッヒ工科大で開発されたRISC-Vの実装Arianeにベクトル演算機構Araをもとにシミュレータを実現し、その動作確認も行った。 初年度において、ジャーナル論文2本、国際ワークショップ1本、研究会報告3本の成果発表を行えており、当初の計画通り概ね順調に進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究項目(2)データ転送速度向上のためのベクトルレジスタ実装と転送速度の評価および(3)アクセラレータ機能の実装と機械学習パフォーマンスの評価について、実装を精力的に進めており、実行できるベクトル演算命令の拡充を進めている。 2022年度はシミュレーションにより詳細な動作解析、性能分析を行い、その成果をリコンフィギャラブルコンピューティング関連の研究会やジャーナル論文、国際会議に投稿していく。 最終年度では、提案方式の有効性を示すため、研究会や国際会議、論文誌などに成果を発表していくとともに、提案方式をもとに特許申請の検討を行っていく。 特にRISC-Vのベクトル拡張の設計・実装を担当した学生は、2021年度に卒業論文としてまとめ、2022年度は国際ワークショップに採録されたことから、年限短縮で博士前期課程を1年で修了予定で、2023年度は博士後期課程学生として、本研究の中心的な存在として研究のサポートを進めていく。 さらに、その成果を発展させたさらに高性能なシステムの実現を目指し、基盤研究(A)などの大規模予算の申請を目指していきたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により予定していた旅費を消化しきれなかったため。 次年度は、規制も緩和され、研究成果を対面で積極的に発表し、現地にて有益な研究交流をはかる予定である。
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Research Products
(12 results)