2021 Fiscal Year Research-status Report
ZDDによる集合表現と含意操作を融合した論理診断手法とECOコスト削減への応用
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21K11808
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
沼 昌宏 神戸大学, 工学研究科, 教授 (60188787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 修隆 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (90273763)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 設計変更要求 / 論理診断 / 論理再合成 / LSI設計支援技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最も特徴的な部分である,論理回路に含まれる設計誤りを自動的に修正する論理診断処理に関して,修正対象とする箇所の組合せである組合せ箇所の集合を効率よく絞り込むために,修正すべき箇所を論理値で表す修正箇所変数を用いた非明示的集合表現に基づく修正箇所シミュレーションを提案・実現した。一つのブール変数Xを含む誤り追跡入力に対して各信号線が取り得る4種類の値の可能性について,修正箇所変数を用いた論理関数で表現する信号値関数を導入した。記号シミュレーションの1種と考えられる修正箇所シミュレーションによって不一致外部出力値の信号値関数を求めた上で,不一致外部出力値を機能仕様と一致させるために必要な条件を修正条件として求め,適用する各誤り追跡入力に対して得られる各修正条件の論理積を求める。このように,修正すべき組合せ箇所の集合を二分決定グラフ(BDD)に基づく非明示的な表現によって求めることで,処理効率化を図った。さらに,BDDのノード数増加を抑制するため,指定した機能誤り箇所数(多重度)以下のすべての組合せを表す多重度制限関数を修正条件の初期値として用いているが,多重度や修正箇所変数の増加にともなって修正条件を求める過程においても信号値関数を表すBDDのノード数が増加するため,論理関数の定義域を定めるコファクタ演算を実行してノード数を削減することで,処理時間短縮を図った。 提案手法をプログラムとして実装した上で,機能誤りを無作為に挿入したベンチマーク回路に対して,組合せ箇所の抽出・絞り込みに関する実験を行った。その結果,5 箇所の機能誤りを含む回路に対して,提案手法によって処理時間がC7552回路で95.4%,b14_opt_C回路で95.7%,それぞれ削減され,処理時間短縮に高い効果が得られることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」に述べたように,交付申請書に記載した「研究実施計画」について,ほぼ達成したと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記「研究実績の概要」に述べたように,交付申請書に記載した「研究実施計画」において当該年度の実施が見込まれていた部分について,ほぼ達成したと考えられ,今後も研究実施計画に従って着実に研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
数千円程度とわずかながら次年度使用額が生じたが,次年度の執行を予定している。
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Research Products
(1 results)