2022 Fiscal Year Research-status Report
ZDDによる集合表現と含意操作を融合した論理診断手法とECOコスト削減への応用
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21K11808
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
沼 昌宏 神戸大学, 工学研究科, 教授 (60188787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 修隆 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (90273763)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 設計変更要求 / 論理診断 / 論理再合成 / LSI設計支援技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度提案・実現した修正箇所シミュレーションでは,二分決定グラフ(BDD)による非明示的集合表現に基づいて修正すべき箇所の組合せ(組合せ集合)を絞り込むことで,処理時間を95%以上短縮する効果を得た。その一方で,大規模回路を対象とした組合せ箇所絞り込み処理の初期段階において,組合せ箇所の集合表現に用いるBDDのノード数増加によって,処理時間が増加する場合がある点が課題となっていた。この課題を解決するため,誤り可能性の指標EPI(Error Possibility Index)の集合であるEPI群と,外部出力の論理関数が機能仕様と異なる不一致外部出力をもとに予測した各誤り追跡入力の組合せ箇所絞り込み効果をもとに,修正箇所シミュレーションへの誤り追跡入力の適用順序を変更する手法を提案・実現した。機能誤りを無作為に挿入したベンチマーク回路に対して,組合せ箇所の抽出・絞り込みに関する実験を行った結果,提案手法によって処理時間を53.6%~81.5%短縮する効果が得られることを確認した。 一方,論理再合成手法に関して,メタル配線によって論理機能を再構成可能なRECON(reconfigurable)セルをスペアセルとして予めチップに埋め込んでおき,設計変更要求(ECO)への対応を実現してきたが,従来のRECONセルでは単一の論理機能が実現されてきた。本研究では,従来のRECONベースセルのレイアウトを維持しつつ,一つのセルで複数の機能を実現する,多ゲートRECONセルを提案するとともに,これらのセルを用いてメタル修正を自動的に行う,多ゲートRECONセルを用いた論理再合成手法を提案・実現した。実験の結果,多ゲートRECONセルの導入によって,修正に必要なスペアセル数を4.4%削減するとともに,slack減少量を平均12.9%,配線長増加量を平均14.8%抑制する効果を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」に述べたように,交付申請書に記載した「研究実施計画」に従って,おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記「研究実績の概要」に述べたように,交付申請書に記載した「研究実施計画」において当該年度の実施が見込まれていた部分について,ほぼ達成したと考えられ,今後も研究実施計画に従って着実に研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
数千円程度とわずかながら次年度使用額が生じたが,次年度の執行を予定している。
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Research Products
(3 results)