2021 Fiscal Year Research-status Report
故障ノードの通過に基づくNoC向きの耐故障ルーティング法の確立
Project/Area Number |
21K11810
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
福士 将 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (50345659)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ネットワークオンチップ / 耐故障ルーティング |
Outline of Annual Research Achievements |
ネットワークオンチップ(NoC)型の並列プロセッサシステムにおいて,故障プロセッサ(ノード)の「通過」という斬新な基本概念に基づく耐故障通信(ルーティング)の確立を目的に,本年度は,最も基本的で一般的な2次元ネットワークを対象に,以下の研究を行った. 1. 2次元メッシュ結合のNoCに対する耐故障ルーティング法の開発: 故障ノードの「通過」を許可しながら,目的ノードまで適応的なルーティングが可能な手法を開発した.本手法では,デッドロックと呼ばれる通信機能不全に陥ることを回避するために,ネットワークを仮想化するための仮想チャネル(VC)を2個用い,2つの仮想ネットワークで異なる適応型ルーティングを行うアプローチをとった.本手法により,平均通信遅延を約84%削減可能であり,2次元メッシュ向けの既知の手法の中で最高性能を達成し得ることを示した. 2. 2次元トーラス結合のNoCに対する耐故障ルーティング法の開発: 故障ノードの「通過」が可能な適応型の耐故障ルーティング手法を開発した.本手法では,VCを8個用い,故障ノードの通過が可能になるまで,完全適応型のルーティングを行うアプローチをとった.本手法により,使用VC数を50%,平均通信遅延を約90%削減可能であり,2次元トーラス向けの既知の手法の中で最高性能を達成し得ることを示した. 3. 実アプリケーションを用いた性能評価方法の開発: 提案手法の実アプリケーションへの適用効果を検証するために,実際の並列プログラムを用いた簡便で実用的な評価方法を開発した.本手法では,プログラムから得られる処理の実行時間と通信情報を用いることで,従来一般的に行われる通信シミュレーションにおける性能比較を可能とした.複数の並列プログラムを用いた評価を行い,既存手法と提案手法の処理性能の差異を解明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標は,基本的な2次元結合NoCを対象に,故障ノードの通過に基づく耐故障ルーティング法を開発することであり,これは上記で報告した通り,概ね順調に展開しているものと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に開発した2次元結合NoC向けの手法を拡張し,3次元結合NoC向けの耐故障ルーティング手法を開発する.これにより,本手法の効果を幅広く検証する.また,本手法の実装に必要なルータ回路を設計し,実際の回路上での動作確認を行うとともに,回路量に関する評価を行う.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,主に購入予定機器の納期が間に合わずに,購入できなかった機器があったためである.未使用額は,次年度に機器を購入する際の物品費として活用し,研究を推進する予定である.
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Research Products
(9 results)