2023 Fiscal Year Annual Research Report
新たな領域に踏み出すソフトウェア開発組織のための予測・見積もりモデル
Project/Area Number |
21K11833
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
天嵜 聡介 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (00434978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿萬 裕久 愛媛大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (50333513)
横川 智教 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (50382362)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 工数見積り / 不具合モジュール予測 / 事前学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は「CPDP及びCCSEEの双方で有用な手法の検討」を行った。これまで研究者が考案したメトリクス(特徴量)を用いた予測モデルがCPDP及びCCSEEを適用する対象であった。しかし、深層学習モデルの急激な発展に伴って予測因子としてのメトリクスは主要な関心事ではなくなった。代わりにソースコードやソフトウェア機能要求の特徴をデータから直接学習して得られるベクトルが用いられるようになった。また、深層学習モデルによる予測ではCPDP及びCCSEEは転移学習として統合的に扱われるようになった。これらの状況を踏まえて、深層学習モデルの利用を念頭に置いてCPDP及びCCSEEに有用な手法を検討した。
まず、深層学習で得られるベクトルと従来のメトリクスを同時に利用できるかについて検討した。不具合の一種である脆弱性予測における実証実験の結果、両方を組み合わせることがある程度有用であることが示された。また、より多くのデータで事前学習したモデルを用いたベクトル化が性能向上に有用である可能性が示唆された。この点は他組織のデータを利用して事前学習モデルを追加で学習する手法が有用である可能性を示す。
次に、工数見積もりにおいて事前学習モデルを他のプロジェクトのデータで追加学習することが有用であるか検討した。具体的には、近年一般的となったアジャイル開発におけるストーリーポイントを要求から見積もるモデルを構築した。他のプロジェクトだけでなく、オンラインの技術系フォーラムのデータを用いたベクトル化などとも比較した。その結果、データの種類よりもより多くのデータで事前学習されたモデルの利用が有用である可能性が示唆された。工数見積もりの入力となる要求が自然言語で書かれているため、ソフトウェア開発プロジェクト特有のテキスト以外からも有用な情報を得ることができる点が不具合予測との違いであると推測される。
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